セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

食道・咽頭(悪性疾患)2

タイトル 消P-294:

当院における放射線化学療法を施行した原発性食道小細胞癌の検討

演者 井上 匡央(愛知医大・消化器内科)
共同演者 小笠原 尚高(愛知医大・消化器内科), 飯田 章人(愛知医大・消化器内科), 野田 久嗣(愛知医大・消化器内科), 田村 泰弘(愛知医大・消化器内科), 近藤 好博(愛知医大・消化器内科), 伊藤 義紹(愛知医大・消化器内科), 増井 竜太(愛知医大・消化器内科), 井澤 晋也(愛知医大・消化器内科), 土方 康孝(愛知医大・消化器内科), 徳留 健太郎(愛知医大・消化器内科), 河村 直彦(愛知医大・消化器内科), 水野 真理(愛知医大・消化器内科), 舟木 康(愛知医大・消化器内科), 佐々木 誠人(愛知医大・消化器内科), 春日井 邦夫(愛知医大・消化器内科)
抄録 【緒言】食道小細胞癌は早期から脈管侵襲、遠隔転移などを来たす予後不良な疾患で、平均生存期間は5カ月程度と報告されているが、現在のところ標準的治療法は確立されていない。【目的・対象】今回当院で化学放射線療法を施行した食道小細胞癌3例について、治療法、有害事象の有無、生存期間などを検討した。症例1:52歳、女性。cStageIVb、CDDP+CPT11併用化学療法を導入したが腎機能障害を生じたため、CBDCA+CPT11へ変更した。2コース終了時PRと効果を認め現在も化学療法を継続中である。症例2:54歳、男性。cStageI、CDDP+VP16併用化学療法と放射線療法を施行した。2コース終了時CRと判定されたが、約6カ月後に原発巣の再発と全身転移を認めた。このためCDDP+CPT11投与に変更しCR~PRとなった。経過良好であったが初回治療15カ月後転移性脳腫瘍悪化のため死亡した。症例3:77歳、男性。cStageII、CDDP+CPT11併用化学療法を施行後、骨髄抑制が出現したため化学療法を中止し放射線療法のみを施行した。放射線療法後CRであったが、初回治療21カ月後に脳、肝転移を認め、CBDCA+CPT11を施行しPRとなったが初回治療33カ月後に死亡した。【結果】CDDP(CBDCA)+CPT11、CDDP+VP16、放射線療法は有害事象も軽微であり、最長約3年間の長期生存を得ることが出来た。【考察】今回当院で施行した化学放射線療法は十分な治療成績を得ることができ、生存期間の延長に寄与したものと推察された。そのため今回施行したレジメンは食道小細胞癌に対する有効な標準的治療法の1つとなる可能性が示唆されるとともに、今後症例の集積と適切な治療法選択、エビデンスレベルの高いレジメンの確立が期待される。
索引用語 食道小細胞癌, 放射線化学療法