セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

食道・咽頭(悪性疾患)2

タイトル 消P-295:

頭頸部癌患者における上部消化管癌合併症例の検討

演者 濱田 康彦(三重大附属病院・光学医療診療部)
共同演者 葛原 正樹(三重大附属病院・光学医療診療部), 堀木 紀行(三重大附属病院・光学医療診療部), 野尻 圭一郎(三重大附属病院・消化器・肝臓内科), 二宮 克仁(三重大附属病院・消化器・肝臓内科), 田野 俊介(三重大附属病院・消化器・肝臓内科), 高山 玲子(三重大附属病院・消化器・肝臓内科), 井上 宏之(三重大附属病院・消化器・肝臓内科), 竹井 謙之(三重大附属病院・消化器・肝臓内科)
抄録 【背景】頭頚部領域と上部消化管領域の発癌には,そのリスクファクターが共通するため重複癌が認められることが少なくない.今回当院において頭頚部癌と診断された症例を検討し,上部消化管癌の発生頻度およびその特徴について検討した.
【対象と方法】頭頚部癌症例における重複癌の頻度を検討することを目的として2005年10月~2012年2月までに当院耳鼻咽喉科,歯科口腔外科を受診し,初発の頭頚部癌と診断され治療を行った連続する201症例を対象とした.うち上部消化管の悪性腫瘍(食道癌,胃癌)を重複して診断された症例を抽出し,その臨床病理学的特徴について検討した.
【結果】対象の頭頸部癌201症例中,食道癌・胃癌を重複して認めた症例は21.4%(40症例43病変:食道癌31,胃癌12)であった.年齢中央値は69歳(54-88),男女比は39:1で平均喫煙指数(Brinkman index)は729(0~1680),エタノールで換算した1日の平均アルコール摂取量は37g(0~140)であった.頭頸部癌の部位別にみると口腔癌2例,中咽頭癌11例,下咽頭癌20例,喉頭癌7例であった.上部消化管腫瘍の臨床病期別にみるとstage Iまでが36例,stage II以降が7例であり,頭頸部癌の臨床病期がstage Iまでが6例,stage II以降が34例であったのと比較し早期の病変が多い傾向があった.経過を追えた40症例において22例が死亡し,うち上部消化管癌が原因であったのは1例のみであった.
【考察】今回検討した上部消化管癌合併症例の特徴として早期癌が多い傾向があった.頭頚部癌と比較し総じて臨床病期が低く,予後規定因子となる可能性は低いと考えられた.
索引用語 頭頚部癌, 上部消化管癌