セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

食道・咽頭(悪性疾患)2

タイトル 消P-296:

下部食道のまだら不染を背景粘膜とする食道扁平上皮癌と逆流性食道炎との関連に対する臨床病理学的検討

演者 小田 丈二(東京都がん検診センター・消化器内科)
共同演者 入口 陽介(東京都がん検診センター・消化器内科), 水谷 勝(東京都がん検診センター・消化器内科), 高柳 聡(東京都がん検診センター・消化器内科), 冨野 泰弘(東京都がん検診センター・消化器内科), 小山 真一郎(東京都がん検診センター・消化器内科), 岸 大輔(東京都がん検診センター・消化器内科), 山里 哲郎(東京都がん検診センター・消化器内科), 中河原 亜希子(東京都がん検診センター・消化器内科), 細井 董三(東京都がん検診センター・消化器内科), 山村 彰彦(東京都がん検診センター・検査科)
抄録 【目的】下部食道にまだら不染を有する食道扁平上皮癌症例と逆流性食道炎との関連性を明らかにすることを目的に検討を行った.【対象および方法】1991年4月から2005年3月までの15年間に当センターで診断,治療された食道扁平上皮癌のうち,食道亜全摘術が施行され,食道胃接合部の臨床病理組織学的検討が十分に可能な20例(男性:15例,女性:5例,またM:3例,SM:15例,MP:2例)を対象とした.下部食道にまだら不染を認める10例(+群)と認めない10例(-群)に分け,食道胃接合部の病理組織学的特徴について検討した.【成績】+群ではバレット上皮長が-群に比べて長い傾向があり,逆流性食道炎による慢性炎症との関連が考えられた.また,+群10例中9例で飲酒との関連を認め,癌は8例がMtからUtに発生していた.一方,-群では飲酒と関連しない症例が6例存在し,うち4例が女性であり,組織学的バレット上皮を伴うか,または内視鏡的に逆流性食道炎を認め,癌はLtに多い傾向があった.【結論】下部食道にまだら不染を認める症例では,下部食道の不染は逆流性食道炎との関連が疑われた.さらに飲酒と関連した食道癌はMtからUtに多い傾向があった.まだら不染を認めない症例において,飲酒と関連しない女性の食道癌は逆流性食道炎が関与している可能性が考えられた.
索引用語 まだら不染, 食道扁平上皮癌