セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

食道・咽頭(悪性疾患)2

タイトル 消P-299:

当科における食道表在癌に対するESDの長期予後

演者 山口 直之(長崎大・光学医療診療部DELIMITER長崎大病院・消化器内科)
共同演者 磯本 一(長崎大・光学医療診療部DELIMITER長崎大病院・消化器内科), 南 ひとみ(長崎大病院・消化器内科), 松島 加代子(長崎大病院・消化器内科), 赤澤 祐子(長崎大病院・消化器内科), 西山 仁(長崎大病院・消化器内科), 大仁田 賢(長崎大病院・消化器内科), 市川 辰樹(長崎大病院・消化器内科), 竹島 史直(長崎大病院・消化器内科), 宿輪 三郎(長崎大病院・消化器内科), 中尾 一彦(長崎大病院・消化器内科)
抄録 【目的】食道ESDは広範囲病変の一括切除を可能にしたが、MM・SM1病変に対する治療指針は一定の見解が得られていない。今回、当科にて施行した食道ESD症例を対象に食道表在癌の長期予後を明らかにする。【方法】対象は2006年4月より2011年12月までに食道ESDを施行した196例270病変。扁平上皮癌189例263病変(EP(HGIN含む):96例154病変、LPM:52例66例、MM:21例21病変、SM1:10例10病変、SM2:10例11病変)、バレット腺癌7例7病変(SMM:3例、LPM:1例、DMM:1例、SM1:1例、SM2:1例)観察期間中央値20ヶ月(3~71)、フォローアップ率95.4%(186/195)検討項目:1)治療成績、2)偶発症、3)局所再発率・リンパ節・遠隔転移、4)同時性多発・異時性多発・多臓器癌合併、5)長期予後【成績】1)一括切除率・一括治癒切除率は全体で順に99.6%(269/270)・91.5%(247/270)2)全体で穿孔0.0%(0/270)・後出血0.7%(2/270)・術後狭窄7.0%(19/270)3)局所再発は全体で0%、リンパ節転移は扁平上皮癌例EP/LPM群で0%(0/148)、MM/SM1群で3.2%(1/31)、SM2群で10.0%(1/10)、バレット腺癌の14.3%(1/7)に認めた。遠隔転移は扁平上皮癌例MM/SM1群の3.2%(1/31)に認めたが、その他の群では認めなかった。4)同時性・異時性多発は扁平上皮癌例の順に30.7%(58/189)、2.6%(5/189)に認めた。多臓器癌合併は27.0%(51/189)に認めた。そのうち胃癌(20例)・咽頭癌(14例)が66.7%を占めていた(重複1例)。バレット腺癌例では同時性・異時性多発・多臓器癌合併いずれも認めなかった。5)3年生存率(Overall Survival rate・Cause-specific Survival rate)は、扁平上皮癌例は全体で順に95.8%・99.0%で、群別ではEP/LPM群は95.9%・100%、MM/SM1群は93.8%・93.8%、SM2群は100%・100%で3群間において生存率に有意差を認めなかった。バレット腺癌例の3年生存率はいずれも100%であった。【結論】食道ESDは安全且つ高い一括性と根治性が得られ、食道においても有用である。
索引用語 食道ESD, 長期予後