セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)食道・咽頭(症例報告/その他) |
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タイトル | 消P-301:化学療法が奏効した類基底細胞食道がんの2例 |
演者 | 山内 理海(県立広島病院・臨床腫瘍科) |
共同演者 | 篠崎 勝則(県立広島病院・臨床腫瘍科), 土井 美帆子(県立広島病院・臨床腫瘍科), 濱井 宏介(県立広島病院・臨床腫瘍科) |
抄録 | 食道がんにおいて類基底細胞がん(basaloid carcinoma)はまれな組織型である.頭頸部がん領域での治療成績はよく検討されているが,食道がんに関する報告,特に化学療法に関するものは少ない.われわれは転移性類基底細胞食道がんに化学療法が奏功し,比較的長期の生存を得ることができた2例を経験したので報告する. 症例1:72歳男性.胸のつかえの精査にて,食道がん(basaloid - squamous carcinoma),肺転移と診断した.放射線化学療法(5-FU+シスプラチン2コース,RT60Gy)により原発巣は消失した.肺転移に対して5-FU+シスプラチン併用療法を合計8サイクル実施した.肺転移は2か所のままで個数が変わらなかったため,治療開始24か月目および30か月目にそれぞれに対して放射線治療をおこなった.治療開始3年の時点で病変は消失しており,生存中である. 症例2:61歳男性.右季肋部痛を精査した結果,食道がん(basaloid - squamous carcinoma),多発肝転移と診断した.肝転移は高度で肝実質をほぼ置換しており,ビリルビンの上昇(2.3)を伴っていた.減量した5-FU+シスプラチン併用療法を導入したところ,肝転移は急速に縮小し,原発巣は瘢痕化した.以降合計9サイクルの治療を実施した.肝転移がPDとなったため,ドセタキセル療法に変更し,治療を継続している.治療開始1年の時点で生存中である. |
索引用語 | basaloid carcinoma, 化学療法 |