セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

食道・咽頭(症例報告/その他)

タイトル 消P-302:

当院における食道小細胞癌3例の検討

演者 森 義徳(名古屋市立大大学院・消化器・代謝内科学)
共同演者 田中 守(名古屋市立大大学院・消化器・代謝内科学), 尾関 啓司(名古屋市立大大学院・消化器・代謝内科学), 塚本 宏延(名古屋市立大大学院・消化器・代謝内科学), 岡本 泰幸(名古屋市立大大学院・消化器・代謝内科学), 海老 正秀(名古屋市立大大学院・消化器・代謝内科学), 溝下 勤(名古屋市立大大学院・消化器・代謝内科学), 谷田 諭史(名古屋市立大大学院・消化器・代謝内科学), 片岡 洋望(名古屋市立大大学院・消化器・代謝内科学), 神谷 武(名古屋市立大大学院・消化器・代謝内科学), 小川 了(名古屋市立大大学院・消化器外科学), 石黒 秀行(名古屋市立大大学院・消化器外科学), 木村 昌弘(名古屋市立大大学院・消化器外科学), 竹山 廣光(名古屋市立大大学院・消化器外科学), 城 卓志(名古屋市立大大学院・消化器外科学)
抄録 食道小細胞癌はまれな疾患であり、予後は極めて不良である。当院における食道小細胞癌3例について報告する。【症例1】56歳、男性、2008年8月検診食道異常影にて当院受診。内視鏡検査にて中部食道に立ち上がりなだらかで表面平滑な隆起性病変を認めた。病理組織検査にて小細胞癌と診断。明らかな転移を認めなかった。術前化学療法としてHigh-dose FP療法2コース施行後、食道全摘術施行。2009年1月CPT-11+CDDP療法(IP療法)2コース、10月IP療法1コース施行。2010年3月再発を認め、IP療法2コース施行。6月low dose FP療法3コース及び縦隔に放射線療法施行。その後多発性脳転移を認め、10月全脳照射施行し、11月IP療法3コース施行。2011年2月に転院となった。【症例2】51歳、女性、既往歴:慢性甲状腺炎、皮膚筋炎。他院にて2004年4月に中部食道に約2cm大の0-Is型病変を認め、病理組織検査にて食道小細胞癌と診断、5月からCDDP+EPO療法5コース施行後中断となった。2008年9月に頚部腫瘤、食欲不振につき当院紹介入院。放射線療法+low dose FP療法2コース施行。食道病変、リンパ節転移は著明に縮小した。12月多発性リンパ節増大、転移性肝腫瘍を認め、2009年1月High dose FP療法1コース、2月IP療法3コース施行し、PRであった。その後転院となった。【症例3】85歳、男性、腰痛につき他院にて精査施行。転移性骨腫瘍の疑いあり、2012年2月当院精査入院。中部食道に半周の隆起性病変を認め、病理にて小細胞癌と診断。現在転移性骨腫瘍に対して放射線治療中。【考察】食道小細胞癌は5年生存率10%未満と報告されており、予後不良の疾患である。当院の症例1、2は集学的治療により長期の生存を得ることができ、大変貴重な症例と考えられた。症例3は高齢で転移性骨腫瘍によるPS低下を認めるため、骨転移に対する放射線照射の先行が適切であると考えられた。
索引用語 食道小細胞癌, 集学的治療