セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

食道・咽頭(症例報告/その他)

タイトル 消P-305:

瀑状胃はメタボリック症候群と関連し、胃食道逆流症状のリスクファクターとなる。

演者 川田 晃世(群馬大附属病院・病態制御内科学)
共同演者 保坂 浩子(群馬大附属病院・病態制御内科学), 栗林 志行(群馬大附属病院・病態制御内科学), 下山 康之(群馬大附属病院・病態制御内科学), 河村 修(群馬大附属病院・病態制御内科学), 草野 元康(群馬大附属病院・光学医療診療部)
抄録 【目的】 瀑状胃は バリウム検査によって診断される特徴的な胃形態であり,様々な上腹部症状と関連している. これまでに我々は瀑状胃が上腹部症状と関連し,肥満が多いことを報告しており, 瀑状胃が内臓脂肪症候群と関連し, 腹圧の上昇を介して逆流症状を引き起こすことも考えられる. 今回BMI, 腹囲など内臓脂肪症候群に関与する各項目と瀑状胃との関連を検討した.【方法】健康診断にて上部消化管造影検査を行った連続した受診者を対象とした. 瀑状胃は食道造影後の立位第一斜位像にて胃底部が屈曲したものとした. バリウム所見から瀑状胃を診断し, 次に出てきた性別, 年齢の一致した正常胃の受診者を対照とした. 男性251人女性 86人の瀑状胃の受診者と同数の非瀑状胃受診者 (計男性502 名, (平均46.9歳) 女性172 名(平均46.7歳)) の体格指数(BMI), 腹囲, 収縮期, 拡張期血圧, HDL, LDL コレステロール値, 中性脂肪値と空腹時血糖値を測定し, 内臓脂肪症候群の有無を比較検討した. 内臓脂肪症候群は日本肥満学会の診断基準に従って行い, 上腹部症状はRomII分類に準じてreflux type(胸焼け,げっぷ), dysmotility-like(心窩部膨満感), ulcer-like(心窩部痛)に分類した。 【成績】内臓脂肪症候群は瀑状胃群で多く(50.4% vs. 29.7%), BMI, 腹囲, 血圧, LDL コレステロール, 中性脂肪値で瀑状胃群で非瀑状胃群に比較し有意に高く,HDLコレステロールは低値であった。 多変量解析では, 瀑状胃は逆流症状の独立した危険因子であった. またBMI は瀑状胃の独立した危険因子であった. 【結論】 瀑状胃は内臓脂肪症候群と関連し, 胃食道逆流症状といった上腹部症状のリスクファクターとなることが示唆された.
索引用語 肥満, GERD