セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃・十二指腸(機能性疾患)

タイトル 消P-319:

functional dyspepsia(FD)症状における血流関与の可能性-Celiac artery compression syndrom症例の検討-

演者 楠 裕明(川崎医大・総合臨床医学)
共同演者 春間 賢(川崎医大・消化管内科), 畠 二郎(川崎医大・内視鏡・超音波センター), 塚本 真知(川崎医大・総合臨床医学), 山下 直人(川崎医大・総合臨床医学), 本多 啓介(川崎医大・総合臨床医学), 井上 和彦(川崎医大・総合臨床医学), 河合 良介(川崎医大・内視鏡・超音波センター), 今村 祐志(川崎医大・内視鏡・超音波センター), 眞部 紀明(川崎医大・内視鏡・超音波センター), 木村 佳起(川崎医大・消化管内科), 松本 啓史(川崎医大・消化管内科), 鎌田 智有(川崎医大・消化管内科), 塩谷 昭子(川崎医大・消化管内科)
抄録 食後上腹部痛を来たす疾患のひとつにCeliac artery compression syndrome(CACS)があるが、本邦では疾患自体が一般的でなく、実臨床で診断に至ることはまれである。CACSの症状発現の原因は、食直後の腹腔動脈(CA)の血流不足と考えられており、一部のfunctional dyspepsia(FD)症例の病態に、CAや上腸間膜動脈(SMA)の血流が関与している可能性は否定できない。今回われわれは当院で診断されたCACS症例の詳細を検討し、その症状の特徴や体外式超音波検査(US)を用いた胃十二指腸運動機能検査(機能検査)結果、診断のポイントを提示する。【症例1】37歳、女性。間欠的な右下腹部の鈍痛を主訴に受診。痛みは食事中に出現し30分程度持続した。造影CTや採血検査、腹部超音波検査(US)、上部消化管内視鏡検査(内視鏡)で異常を認めず、約4ヶ月間外来でFDとして加療された。しかし、難治性であったため改めてUSによるCAの血流評価を依頼した。CAの血流は高値(212cm/min)であり、呼気と吸気の血流の差は85cm/minであり、CACSと診断した。CA根部の狭小化はUSおよび3D-CTで確認された。機能検査では近位胃の拡張能低下と十二指腸胃逆流の増加が指摘された。【症例2】16歳、女性。食直後に出現し約1時間持続する心窩部痛を主訴に受診。採血検査と内視鏡で明らかな異常は認めなかったが、USでCAの血流増加(250cm/min)を指摘され、呼気と吸気の血流の差は100cm/minであったためCACSと診断された。3D-CTでは明らかなCA根部の狭小化は確認されなかった。機能検査では近位胃の拡張能低下と十二指腸胃逆流の増加が指摘された。【結語】CACS症例は存在するため、CAやSMAの血流がFD症状に関与する可能性はある。難治性FD患者に多くのCACS患者が含まれている可能性はあり、食後の難治性腹痛患者には、CAの血流測定を行うべきであり、CACS自体の啓蒙活動も必要である。
索引用語 Celiac artery compression syndrome, functional dyspepsia