セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃・十二指腸(内視鏡診断、NSAIDs)

タイトル 消P-323:

高齢者のNSAIDs/抗血栓薬服用と出血性胃/十二指腸潰瘍についての検討

演者 芹川 真哉(札幌東徳洲会病院・消化器内科)
共同演者 坂本 淳(札幌東徳洲会病院・消化器内科), 太田 智之(札幌東徳洲会病院・消化器内科), 松原 悠(札幌東徳洲会病院・消化器内科), 七尾 恭子(札幌東徳洲会病院・消化器内科), 好崎 浩司(札幌東徳洲会病院・消化器内科), 網塚 久人(札幌東徳洲会病院・消化器内科), 木村 圭介(札幌東徳洲会病院・消化器内科)
抄録 【目的】高齢者(65歳≦)における出血性胃/十二指腸潰瘍(以下HGDU)におけるNSAIDsや抗血栓薬の影響や服薬再開時期を明確化すること。【方法】2009年1月から2012年1月までに当院で入院加療したHGDU445例(M/F : 315/130)を対象に、65歳以上の高齢者182 例(40.8%)と65歳未満に分け、各々でNSAIDs服用群81例(18.2%)と非服用群、抗血栓薬服用群135例(30.3%)と非服用群に分けた。臨床背景や止血成績から、年齢における止血困難素因の有無を抽出し、またこれら内服における高齢者群と若年者群間での比較から、高齢者における適切な服用再開時期に関して検討した。【成績】NSAIDs服用者の割合は年齢に差がなく(高齢19.2%、若年17.2%;p=0.60)、抗血栓薬も同様であった(高齢33.5%、若年25.7%;p=0.08)。高齢者と若年者間ではこれら内服の有無に関係なく、初回内視鏡時のForrest分類(治療適応の有無)には差がなく(高齢vs 若年;p=0.51、NSAIDsありの高齢vs 若年;p=0.83、抗血栓薬ありの高齢vs 若年=;p=0.60)、またこれら内服の有無に関係なく、高齢者と若年者間では再出血率に差がみられなかった(高齢vs若年=14.8%vs17.0%;p=0.51、NSAIDs服用の高齢vs若年= 16.0%vs14.9%;p=0.37、抗血栓薬服用の高齢vs若年=5.7%vs0.0%;p=0.09)。また再出血した例で、それまでの日数は高齢者で平均2.0日(1-7日)、若年者で平均1.8日(1-8日)で有意な差はみられなかった(p=0.40)。これらの服用を考慮しても、再出血までの平均日数に差はみられなかった。(高齢vs若年= 2.5 vs 1.6日;p=0.13) 【結論】年齢を問わず、止血時は積極的止血が望まれ、またNSAIDsや抗血栓薬の早期再開も可能であると考えられる。
索引用語 出血性胃潰瘍, NSAIDs