セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃・十二指腸(H.pylori)1

タイトル 消P-327:

Helicobacter pylori 除菌治療に際しての抗生剤感受性試験の重要性について

演者 川西 昌弘(広島原爆障害対策協議会)
共同演者
抄録 【目的】近年、Helicobacter pyloriH. pylori ) 除菌率は低下している。その原因の大部分は一次除菌に使用されるClarithromycin(CAM)の耐性率の増加によるところが大きい。私は2011年度より細菌感受性の結果を考慮しての除菌方法を選択している。最近の耐性率の結果と除菌率の結果を示す。【方法】私は1998年よりH. pylori の抗生剤感受性をEtestにて行っている(H. pylori 陽性者男性1082例、女性420例)。そして、2007年から2010年までは一次除菌はRabeprazole、Amoxicillin、Crarythromycin(RAC)を130例に、一次除菌に失敗した症例には二次除菌としてRabeprazole、Amoxicillin、Metronidazole(MTZ)による除菌(RAM)を78例に施行してきた。しかし、2011年度からは抗生剤感受性結果より、CAM耐性者にはRAMを最初より行っている(2月現在RAC+CAM合わせて55例)。除菌判定は除菌薬投与終了後3か月後に呼気試験にて行った。統計処理は「R」を用いた。【成績】前期(1998年-2002年)、中期(2003-2007年)、後期(2008年以降)に分けて耐性率を検討すると、CAMでは16.2%(95%信頼区間13.5-19.2:以下同様)、22.3%(18.7-26.2)、41.1%(34.3-48.1)と有意に上昇(p<0.01)していた。MTZでは7.3%(5.4-9.5)、6.3%(4.3-8.8)、4.3%(2.4-7.1)と変化なし、もしくは低下傾向(p=0.08)であった。2007年から2010年のRAC一次除菌率は70.8%(62.2-78.4)、RAM二次除菌率は92.3%(84-97.1)、2011年度の一次除菌率はRAC除菌では912%(76.3-98.1)RAM除菌では95.2%(76.2-99.9)であり、全体としても92.7%(82.4-98.0)であり、2007年から2010年の一次除菌率と比較し、有意な除菌率の増加が認められた(p<0.01)。【結論】H. pylori 除菌には内視鏡施行による組織培養を行い、抗生剤の感受性結果にて除菌方法を選択すべきと考える。
索引用語 Helicobacter pylori, 除菌