抄録 |
【目的】PPI+AMPC+CM (PPI/AC)とPPI+AMPC+MNZ (PPI/AM)療法によるH. pylori一次除菌率を比較検討することが目的である。【方法】千葉県香取市の診療所において2008年から2011年の間に, 上部消化管内視鏡検査中の生検でH. pylori陽性と診断し, 初回除菌治療した患者を検討対象とした. 胃・十二指腸潰瘍有病者(94例)に対しては保険適応のPPI/AC療法を施行した. 潰瘍を認めないH. pylori陽性患者に対しては除菌療法に関する十分な情報提供を行い, 除菌を希望する29例はPPI/AC療法かPPI/AM療法の自己選択後, 全例がPPI/AM療法を希望し自費診療で除菌治療を施行した. 除菌判定は呼気試験で行った. 両療法の一次除菌率を比較した. また, PPI/AC療法で除菌に失敗した症例に対するPPI/AM療法による二次除菌率も検討した. 【結果】一次除菌にPPI/AC療法を施行した94症例中除菌に成功した症例は73例(78%), PPI/AM療法を施行した29症例中除菌に成功した症例は28例(97%)で, 有意にPPI/AM療法の一次除菌成功率は高かった(P=0.005). PPI/AC療法で除菌に失敗した21例中17例にPPI/AM療法で二次除菌を施行し, 全例で二次除菌に成功した. 両療法ともに特記すべき副作用を認めなかった. 【結論】今回の検討地域ではPPI/AM療法による除菌率は良好で, PPI/AC療法と比較して有意に高く, 一次除菌療法としてPPI/AM療法が勧められる. |