セッション情報 |
ポスターセッション(消化器病学会)
胃・十二指腸(H.pylori)1
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タイトル |
消P-330:H. pylori除菌用量におけるesomeprazoleとomeprazoleのCYP2C19遺伝子多型別の酸分泌抑制効果の比較検討
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演者 |
佐原 秀(浜松医大・1内科) |
共同演者 |
杉本 光繁(浜松医大・1内科), 魚谷 貴洋(浜松医大・1内科), 山出 美穂子(浜松医大・1内科), 西野 眞史(浜松医大・1内科), 山田 貴教(浜松医大・1内科), 大澤 恵(浜松医大・1内科), 杉本 健(浜松医大・1内科), 古田 隆久(浜松医大・臨床研究管理センター) |
抄録 |
【目的】プロトンポンプ阻害剤(PPI)は薬物代謝酵素であるCYP2C19により代謝されるため、CYP2C19遺伝子多型別に薬物動態や酸分泌抑制効果が異なる。ラセミ体であるomeprazole(OPZ)からS体のみを取り出したesomeprazole(EPZ)は、OPZと比較して肝臓での初回通過効果、ひいてはCYP2C19の影響を受けにくく、他のPPIと比べて優位性を示すことが報告されている。今回我々は本邦におけるH. pyloriの除菌治療時の用量でのEPZとOPZの酸分泌抑制能をCYP2C19遺伝子多型別に比較検討することを目的とした。【方法】若年健常ボランティア30名(CYP2C19遺伝多型: rapid metabolizer(RM)群10名、intermediate metabolizer(IM)群10名、poor metabolizer(PM)10名))を対象に、cross-over法にてEPZ(20mg bid)、OPZ(20mg bid)を各々7日間投与して、7日目に24時間胃内pHモニタリング検査にて酸分泌抑制効果を比較検討した。【成績】現段階で30名のうち24名がcross-overを終えており、EPZ投与時胃内pHは5.40±0.74で, OPZ投与時(5.47±1.38)と同程度であった(p=0.983)。CYP2C19遺伝子多型別のOPZ投与時胃内pHは、RM群で4.56±2.00、IM群で5.38±0.86、PM群で6.59±0.57であり、PM群の胃内pHはIM群やRM群と比較して有意に高かった(p=0.005, 0.005)。一方、EPZ投与時胃内pHは、RM群で5.28±0.32、IM群で5.36±0.73、PM群で6.10±0.89であり、遺伝子多型間で有意差は認めなかった(p=0.071)。RM群において、OPZ投与時よりもEPZ投与時の方が、強い酸分泌抑制効果を認めたが、有意差は認めなかった(p=0.345)。【結論】H. pylori除菌用量での酸分泌抑制効果は両薬剤間で同程度であったが、EPZはCYP2C19遺伝子多型間で明らかな差を認めず、全ての対象者に同程度の酸分泌抑制効果が期待できることから除菌療法時には選択しやすい薬剤である可能性が示唆された。尚、当日は30名のdataで分析し発表する。 |
索引用語 |
H. pylori, CYP2C19 |