セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)胃・十二指腸(H.pylori)1 |
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タイトル | 消P-331:当院におけるH.pylori除菌治療成績-萎縮性胃炎は、胃潰瘍より除菌成功率が悪い?- |
演者 | 藤澤 智雄(松江赤十字病院・消化器内科) |
共同演者 | 板倉 由幸(松江赤十字病院・消化器内科), 山本 悦孝(松江赤十字病院・消化器内科), 山下 詔嗣(松江赤十字病院・消化器内科), 角田 恵理奈(松江赤十字病院・消化器内科), 千貫 大介(松江赤十字病院・消化器内科), 串山 義則(松江赤十字病院・消化器内科), 内田 靖(松江赤十字病院・消化器内科), 香川 幸司(松江赤十字病院・消化器内科) |
抄録 | <はじめに>2000年からH.pylori(Hp)陽性消化性潰瘍に対する除菌治療が保険適応となり、潰瘍再発あるいは胃癌発生抑制の治療成績が明らかとなっている。しかし、潰瘍のない萎縮性胃炎を対象としたHp除菌治療の成績は、十分には検討されていない。そこで我々は、Hp陽性萎縮性胃炎に対し、自由診療による除菌治療を行い、同時期の胃潰瘍あるいは十二指腸潰瘍のHp除菌率を比較検討したので報告する。<対象および方法>当院にて2010年3月から2012年2月までにHp除菌治療を行った315例(男性200例、女性115例、平均59歳)を対象に行った。萎縮性胃炎:93例、胃潰瘍:101例、十二指腸潰瘍:54例、胃十二指腸潰瘍:18例、早期胃癌内視鏡治療後:49例に対し1次除菌を行った。除菌判定は、除菌後2ヶ月目以降に尿素呼気試験を実施し、2.5‰未満を除菌成功とした。除菌率の統計学的検討は、Mann WhitneyのU検定を用い、p<0.05を統計学的有意差ありとした。<結果>萎縮性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃十二指腸潰瘍および早期胃癌内視鏡治療後の除菌成功率はそれぞれ、75.4%(70/93例)、86.1%(87/101例)、83.3%(45/54例)、66.6%(12/18例)、75.5%(37/49例)であった。萎縮性胃炎と胃潰瘍との比較では、萎縮性胃炎の方が、有意(p=0.0367)に除菌成功率が低い結果であった。しかし、萎縮性胃炎と十二指腸潰瘍との間には有意差を認めず、また、胃潰瘍と十二指腸潰瘍の間にも有意差を認めなかった。<結語>萎縮性胃炎は胃潰瘍に比し、有意に除菌成功率が低かった。本結果は、1施設のみの検討であり、今後、多施設での検討が必要であると考えられた。 |
索引用語 | 萎縮性胃炎, H.pylori |