セッション情報 |
ポスターセッション(消化器病学会)
胃・十二指腸(H.pylori)2
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タイトル |
消P-337:胃液からのHelicobacter pylori培養検査の有用性について
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演者 |
市川 仁美(浜松医大・1内科) |
共同演者 |
山出 美穂子(浜松医大・1内科), 杉本 光繁(浜松医大・1内科), 魚谷 貴洋(浜松医大・1内科), 佐原 秀(浜松医大・1内科), 大澤 恵(浜松医大・1内科), 杉本 健(浜松医大・1内科), 古田 隆久(浜松医大・臨床研究管理センター) |
抄録 |
【目的】上部消化管内視鏡検査時のHelicobacter pylori (以下H. pylori ) の感染診断は、迅速ウレアーゼ試験と生検組織の培養法が一般的であるが、粘膜組織片の採取を要す。近年、脳梗塞、虚血性心疾患の罹患時患者数増加に伴い、抗血小板薬、抗凝固薬内服中の患者数は増加し続けており、粘膜採取は出血のリスクが高い手技である。一方、胃液中にもH. pyloriは存在しているため、胃液の吸引採取は出血傾向の有無に関わらず可能な手技である。これまで我々は、胃液中のH. pylori DNAをPCR法により増幅し、判定する方法が、高い感受性を示すことを確認してきた。しかしPCR法は、すべての施設で施行可能ではない。今回、胃液PCR法でH. pylori感染症と診断した症例において、胃液からのH. pylori培養を行い、同時施行の組織培養法、血中抗H. pylori抗体測定法(以下抗体法)を比較し、各種検出法の有用性を検討した。【方法】2009年1月から2011年12月までに当院外来を受診し、胃液PCR法にてH. pylori感染陽性と診断され、抗体法と、胃液と組織検体よりH. pyloriの培養が行われた患者89名を対象に調査した。胃液は採取後遠沈し、沈殿物を選択培地に塗布し検討した。組織培養法、抗体検査と陽性率を比較検討した。【成績】89名中、胃液培養法で42名(47.2%)、組織培養法で63名(70.8%)が陽性と判定された。血中H. pylori抗体法では82名(92.1%)が陽性であった。血中抗体法で陰性判定の7例中5例で抗体価は6-8を示し、10以上陽性の判定法では偽陰性が生じる可能性が示唆された。【結論】胃液からのH. pylori培養は可能であったが、その陽性率は高いものではなく、手技の改善が必要と考えられた。一方、血中抗体測定も有用であるが、抗体価低値の偽陰性症例が見られた。 |
索引用語 |
H. pylori, 胃液培養法 |