セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃・十二指腸(H.pylori)2

タイトル 消P-338:

COX-2のSNPを用いたH.pylori胃炎患者のハイリスク群の絞込みの検討

演者 小高 康裕(日本医大・消化器内科)
共同演者 二神 生爾(日本医大・消化器内科), 山脇 博士(日本医大・消化器内科), 河越 哲郎(日本医大・消化器内科), 名児耶 浩幸(日本医大・消化器内科), 泉 日輝(日本医大・消化器内科), 大石 典子(日本医大・消化器内科), 堀江 茜(日本医大・消化器内科), 進藤 智隆(日本医大・消化器内科), 新福 摩弓(日本医大・消化器内科), 楠 正典(日本医大・消化器内科), 植木 信江(日本医大・消化器内科), 三宅 一昌(日本医大・消化器内科), 坂本 長逸(日本医大・消化器内科)
抄録 目的・背景
慢性胃炎が、除菌療法の保険適応となっていない現在、H.pylori胃炎患者をどのように治療しフォローしていくかが問題となっている。これまでに、H.pylori胃炎のhigh risk groupの絞り込みに、IL-1βのSNPを調べることが有用であると報告されている。またわれわれは今までCOX-2が胃潰瘍の修復に重要な役割を果たしているばかりでなく、胃癌の腫瘍増殖や血管新生に関与することなどを報告してきた。そこで今回、我々は、従来より報告されているIL-1β, TNF-αに加えて、COX-2の遺伝子多型を用いることで、H.pylori胃炎患者のハイリスク群の絞り込みに利用できないか検討した。また一部症例については、ペプシノーゲン値(PGI/II)との相関も検討した。方法H.pylori陽性患者333名を対象としてCOX-2IL-1βTNF-αのSNPを設計し、内視鏡生検ブロックまたは血液よりDNAを抽出しSNPの測定を行なった。
結果
IL-1β(rs16944)(n=323)はT/T18.6%, C/C30.0%. C/T51.4%、 TNF-α(rs1800629)(n=323)はG/G96.6%, G/A3.4%であった。一方、 COX-2 (rs689466)(n=291)はT/T38.5%, C/T36.8%. C/C24.7%、 COX-2(rs689465)(n=291)はA/A93.4%, A/G6.3%, G/G0.4%であった。一部の症例(n=103)に関しての検討ではIL-1β511AAのPGI/II値は2.01であった.COX-2(rs689466)AA型のPGI/II値は2.12であり,共に低値の傾向を認めた.
結語
COX-2(rs689466)はH.pylori胃炎患者のhigh risk群の絞り込みのための有用なファクターとしてはさらなる検討が必要と思われた。
索引用語 H.pylori, COX-2