セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃・十二指腸(H.pylori)2

タイトル 消P-341:

胃腫瘍ESD症例における血清ペプシノゲンの検討

演者 三池 忠(宮崎大・消化器血液学)
共同演者 宮田 義史(市民の森病院・消化器科), 山本 章二朗(宮崎大・消化器血液学), 鈴木 翔(宮崎大・消化器血液学), 上原 なつみ(宮崎大・消化器血液学), 竹田 幸子(宮崎大・消化器血液学), 大園 芳範(宮崎大・消化器血液学), 夏田 朱一郎(宮崎大・消化器血液学), 橋本 神奈(宮崎大・消化器血液学), 山路 卓巳(宮崎大・消化器血液学), 永山 学(宮崎大・消化器血液学), 中村 憲一(宮崎大・消化器血液学), 安倍 弘生(宮崎大・消化器血液学), 岩切 久芳(宮崎大・消化器血液学), 蓮池 悟(宮崎大・消化器血液学), 永田 賢治(宮崎大・消化器血液学), 下田 和哉(宮崎大・消化器血液学), 頼田 顕辞(宮崎大・腫瘍・再生病態学), 片岡 寛章(宮崎大・腫瘍・再生病態学)
抄録 【背景・目的】血清ペプシノゲン(以下PG)を測定することで高い確率で萎縮性胃炎が発見できると報告され、胃癌の早期発見に有効な検査方法と考えられている。胃腫瘍ESD症例をもとにPGと血清H.pylori抗体(以下Hp)、内視鏡的粘膜萎縮、胃腫瘍の性質を検討し、PGの有用性を明らかにすることを目的とした。【対象・方法】2009年6月より2011年2月まで当科で胃腫瘍に対して胃ESDを施行した66例71病変(術後や再建は除く)のうち、Hpの治療歴のない35例37病変を対象とした。それぞれのPG(ペプシノゲン1≦70ng/mLかつ1/2比≦3を陽性)を測定し、PG陽性(以下PG群)とPG陰性(以下NPG群)に亜分類した。血清H.pylori抗体、内視鏡的粘膜萎縮、胃ESD治療成績や適応病変をそれぞれ比較検討し、遡及的に解析を行った。【結果】HpにおいてPG群は陽性20例、陰性2例、NPG群は陽性7例、陰性8例で有位差を認めた(P<0.01)。また粘膜萎縮においてPG群は軽度1例、中等度7例、高度14例、NPG群は軽度3例、中等度8例、高度4例で有位差は認めなかったが、PG群において萎縮が強い傾向を認めた。胃ESD治療成績において有位差は認めなかったが、適応病変の検討においてPG群は胃腺腫9例、適応内病変9例、適応拡大/外病変4例、NPG群は胃腺腫3例、適応内病変3例、適応拡大/外病変9例で有位差を認めた(P<0.05)。【結論】胃腫瘍合併の背景胃粘膜において、PG群はNPG群に比較しHp感染率が有意に高く、萎縮が高度である可能性が示唆された。またNPG群はPG群に比較し、胃ESD症例として腺腫や適応内病変より適応拡大/外病変が多く、胃内視鏡治療困難症例の指標となる可能性が示唆された。【考察】胃腫瘍の内視鏡治療を考慮する上で、PGや胃粘膜萎縮の拡がりの程度を把握することが重要と考えられた。
索引用語 ペプシノゲン, 胃粘膜萎縮