セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃・十二指腸(良性疾患)

タイトル 消P-342:

若年者での内視鏡的慢性萎縮性胃炎と逆流性食道炎の長期経過

演者 三谷 圭二(自衛隊中央病院・内科)
共同演者 箱崎 幸也(自衛隊中央病院・内科), 安武 優一(自衛隊中央病院・内科), 又木 紀和(自衛隊中央病院・内科), 岡田 千津子(自衛隊中央病院・内科), 青野 茂昭(自衛隊中央病院・内科), 徳永 徹二(自衛隊中央病院・内科), 小針 伸一(自衛隊中央病院・内科), 因幡 健一(自衛隊中央病院・内科), 寺田 尚人(自衛隊中央病院・内科)
抄録 【はじめに】若年者の慢性萎縮性胃炎(CAG)や逆流性食道炎(RE)の実態や長期経過観察おける発生は明確ではない。今回、上部消化管内視鏡検査(EGD)での長期観察において若年者から青壮年期でのCAG/RE進展の検討を行った。【対象および方法】1993~2000年のレンジャー訓練課程訓練生445例を検討対象とし、訓練前の身体検査時に上部消化管内視鏡検査(EGD),血清抗HP抗体測定を行った。CAG診断には木村・竹本分類、RE診断にはLA分類を用いた。40歳節目検診や胃検診で上部消化管内視鏡検査(EGD)が再度実施された75例で、長期経過前後の内視鏡CAG,RE像の比較検討を行った。【結果】445例は全例男性で、平均年齢は26.4(20~38)歳であった。(1) 訓練前CAGはC-1:30%,C-2:7%,C-3以上:5%で、58%で萎縮はみられなかった。REは10例(2.2%, grade A:6%, grade B:4%)のみに認められ、抗HP抗体陽性は27%であった。(2) 長期観察し得た75例の平均年齢は40.6(30~49)歳で、8年以上[平均13.5年(7~22年)]経過症例であった。CAGの検討では、C-1以下は22例(29%)で2段階以上進展したのは39症例(52%)であった。REは24例[grade A:15, grade B:9(32%)]に認められた。(3) 訓練前の年齢,抗HP抗体,PG-I,PG-/II,PG-I/II比におけるCAG進展・RE発生での多変量解析(Cox比例ハザードモデル)では、CAG進展には高年齢(p=0.0063)・抗HP抗体陽性(p=0.018)が有意に高率であった。RE発生には、いずれの因子にも有意差は認めなかった。【結論】C-2以上の内視鏡的CAGは25歳前後12%から40歳前後70%に進展し、REは2%から32%に認められた。
索引用語 慢性萎縮性胃炎, 逆流性食道炎