セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃・十二指腸(GIST、癌)

タイトル 消P-353:

胃壁外発育型巨大GISTの一例

演者 矢内 真人(東京共済病院・消化器科)
共同演者 江南 ちあき(東京共済病院・消化器科), 野澤 さやか(東京共済病院・消化器科), 大野 智里(東京共済病院・消化器科), 篠原 玉子(東京共済病院・消化器科), 玄 世鋒(東京共済病院・消化器科), 菅原 和彦(東京共済病院・消化器科), 檜田 真(東京共済病院・消化器・一般外科), 達富 祐介(東京共済病院・消化器・一般外科)
抄録 今回我々は6年の経過で胃壁外に有茎性発育を来たした巨大なgastrointestinal stromal tumor(以下GIST)を外科的に切除した一症例を経験したので報告する。症例は74歳女性。既往歴としては50歳時に大腸癌に対して結腸切除術後、人工肛門造設術後、また慢性糸球体腎炎、糖尿病、高脂血症に対して当院受診中であった。2011年6月から腹部膨満を認めたが上部消化管内視鏡検査で粘膜病変認めず経過観察となっていた(壁外からの圧排所見は認めていた)。症状改善なく増悪傾向認めたため、腹部単純CT検査施行したところ2006年には認めなかった内部に巨大な嚢胞を形成した23cm大の腹腔内腫瘤を左上腹部、胃前方に認め、入院での精査加療となった。腹部造影CT検査では内部に不均一な造影効果を認めた。腹水貯留も認めたため腹水穿刺施行した。性状は漏出性、腹水細胞診は悪性所見を認めなかった。腫瘍マーカーはCA125が1068.7U/ml、sIL-2Rが1010U/mlと高値だったが、CEA、CA19-9は基準値内であった。腫瘤に対して経皮的針生検施行し病理組織所見では紡錘形細胞の腫瘍性増生を認め、免疫染色ではKIT陽性であり、GISTの診断に至り、腫瘤摘出術+胃部分切除術を当院外科で施行した。腫瘤は胃壁より発生した母指頭大の茎を有していた。手術検体の病理組織所見・免疫染色でも同様の所見が得られた。術後も当院で経過観察を行っているが、術後2ヶ月では再発所見を認めていない。医学中央雑誌では最大径20cm以上の胃GISTが1983-2010年で8例、また巨大嚢胞を呈した胃GISTが2001-2010年で11例(平均16cm、最大28cm)の報告があり、さらに上記のうち発育の経過まで追えた報告はさらに少なかった。
索引用語 巨大, 胃GIST