セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃・十二指腸(癌)1

タイトル 消P-356:

当院における進行胃癌(stageIV)症例に関する治療法の検討

演者 酒井 拓(新古賀病院・消化器内科)
共同演者 内田 優介(新古賀病院・消化器内科), 佐保 博美(新古賀病院・消化器内科), 原 一生(新古賀病院・消化器内科), 中村 弘毅(新古賀病院・消化器内科), 増成 暁(古賀病院21・PET画像診断センター), 奥村 憲二(古賀病院21・消化器外科), 池添 清彦(古賀病院21・消化器外科), 小林 慶太(古賀病院21・消化器外科), 本間 憲一(古賀病院21・消化器外科)
抄録 【背景】stageIV胃癌の平均生存期間(MST)は新規抗癌剤の併用療法、また抗癌剤加療前後に手術を組み合わせることにより、延長を認めてきた。
【目的、方法】2006年8月~2011年5月の間に当院で加療を受けたstageIV胃癌60例に対して、Best supportive care(BSC)群、化学療法単独群、手術単独群、化学療法+手術併用群に分けて、stageIV各因子毎にMSTを評価し、どのような症例に対してこれらの治療法を選択すべきかを後ろ向きに検討を行った。
【結果】年齢は55歳から87歳(平均70.0歳)、男女比は5:1であり、組織型は分化型15例、未分化型45例であった。stageIV因子としては、肝転移(H)症例20例、腹膜播種(P)症例27例、腹腔細胞診(CY)症例36例、遠隔転移症例(大動脈周囲リンパ節(#16) 17例、他)であった。治療群としては、BSC群 9例、化学療法単独群28例、手術単独群4例、化学療法+手術併用群19例であった。全症例におけるMSTは334.25日であり、BSC群と化学療法群について比較検討を行うと、いずれの因子においても 化学療法群の方がMSTは有意な延長を認めた(P<0.05)。また、化学療法群に比して、化学療法+手術併用群の方が、CY、#16因子を含む症例、含まない症例でいずれもMSTの有意な延長を認めた(P<0.05)。但し、P因子については、Pを含む症例では化学療法群に比して、化学療法+手術併用群はMSTの有意な延長を認めず(P=0.100)、Pを含まない症例においてのみ有意な延長を認めた(P<0.05)。
【結論】MSTに関して、いずれの因子もBSC群より化学療法群の方が有意な延長効果を認めた。手術を併用するかは、P因子が陽性の症例は、慎重に検討する必要があると思われた。
索引用語 胃癌, stageIV