セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)胃・十二指腸(癌)2 |
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タイトル | 消P-361:当院における乳癌胃転移症例の免疫組織化学的染色についての検討 |
演者 | 谷口 智香(がん研有明病院・内視鏡診療部) |
共同演者 | 山本 頼正(がん研有明病院・消化器内科), 石山 晃世志(がん研有明病院・消化器内科), 平澤 俊明(がん研有明病院・消化器内科), 土田 知宏(がん研有明病院・消化器内科), 藤崎 順子(がん研有明病院・内視鏡診療部), 星野 恵津夫(がん研有明病院・消化器内科), 五十嵐 正広(がん研有明病院・内視鏡診療部), 山本 智理子(がん研有明病院・病理部) |
抄録 | 【目的】乳癌の胃転移は、時に臨床で経験され、原発乳癌の組織型は一般的に浸潤性小葉癌が多いと言われている。胃転移巣の内視鏡所見は4型進行胃癌に、組織所見は低分化型腺癌に類似することが多いが、内視鏡所見、生検組織所見から、原発性胃癌と転移性胃腫瘍との鑑別が困難であることも少なくない。確定診断には生検での免疫組織化学的染色が有用との報告がある。今回我々は当院で経験した乳癌胃転移例の臨床像と免疫組織学的染色所見について検討した。【対象】2005年3月より2011年9月に当院で病理組織学的に乳癌原発による転移性胃腫瘍と診断された9症例に対し、その臨床病理学的特徴と、原発巣と胃転移巣におけるエストロゲンレセプター(以下ER)、プロゲステロンレセプター(以下PgR)の陽性率を解析した。【結果】胃転移診断時の年齢中央値は55歳(37-75歳)。乳癌診断時に他癌の既往のあった症例はなく、乳癌の家族歴は1例(11.1%)であった。原発乳癌の組織型は充実腺管癌が1例(11.1%)、硬癌が5例(55.6%)、浸潤性小葉癌が1例(11.1%)、硬癌、浸潤性小葉癌の混在が2例(22.2%)であった。ERとPRの陽性率は、原発巣においてERは全例陽性で、PgRはは7例(77.8%)が陽性であった。胃転移巣においてERは9例全例が陽性であり、PgRは全例が陰性であった。胃転移巣の9例中8例(88.9%)が生検で確定診断が得られ、1例(11.1%)は粘膜下への転移のため、生検で癌細胞が検出されず、緩和治療目的の幽門側胃切除による手術検体で診断がついていた。【結論】当院における乳癌胃転移例は、9例中8例で胃生検により確定診断が得られていた。胃転移巣のER所見は全例陽性であり確定診断に有用であった。 |
索引用語 | 胃転移, 乳癌 |