セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃・十二指腸(癌)2

タイトル 消P-362:

原発性胃癌におけるDNAメチル化に関する検討

演者 東條 正幸(昭和大・消化器内科)
共同演者 小西 一男(昭和大・消化器内科), 矢野 雄一郎(昭和大・消化器内科), 片桐 敦(昭和大・消化器内科), 野沢 妃佐子(昭和大・消化器内科), 久保田 祐太郎(昭和大・消化器内科), 村元 喬(昭和大・消化器内科), 小林 祥也(昭和大・消化器内科), 紺田 健一(昭和大・消化器内科), 新村 健介(昭和大・消化器内科), 井廻 道夫(昭和大・消化器内科)
抄録 【目的】原発性胃癌症例におけるDNAメチル化について検討した。【方法】原発性胃癌症例119例を対象とし,bisulfite-pyrosequencing法を用いて9遺伝子(MINT1、MINT2、MINT25、MINT31、p16、CDH1、CHER、MGMT、LINE-1)のDNAメチル化解析を行った。CpG methylator phenotype (CIMP)であるが、MINT markerを用いてCIMP high (CIMP-H) (3 marker以上でメチル化あり)、CIMP low (CIMP-L) (1-2 markerでメチル化あり)、CIMP-negative (CIMP-N)に分類した。尚、categorical valueについては、15%以上のメチル化をメチル化ありと定義した。【成績】胃癌症例におけるCIMP-H、CIMP-L、CIMP-Nの頻度は、22%(26/119)、54%(64/119)、24%(29/119)であった。臨床病理学的には,CIMP-N tumorにおいて腫瘍肉眼型3-4型の頻度が他群に比べ高率であった(vs. CIMP-L, P < .05 or CIMP-L, P = .08)。CIMP-H tumorは、CIMP-LあるいはCIMP-N tumorに比べp16、MGMT、CHFR のDNAメチル化レベルが有意に高く(p16:16% vs. 5%/3%、MGMT:12% vs. 3%/3%、CHFR:27% vs. 6%/4%; P < .01)、これらの遺伝子のDNAメチル化の頻度についても同様に有意差を認めた(p16:35% vs. 1% or 0%、MGMT:23% vs. 0% or 0%、CHFR:54% vs. 13% or 3%; P < .01)。一方、CIMP-L tumor のLINE-1メチル化レベルは、正常粘膜部およびCIMP-H・CIMP-N tumorのLINE-1メチル化レベルに比べ有意に低かった (P < .02)。【結論】原発性胃癌症例では、DNAメチル化所見から3つのphenotypeに分けられ、それぞれ異なる生物学的特徴を有する可能性が推定された。
索引用語 DNAメチル化, 胃癌