セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃・十二指腸(癌)2

タイトル 消P-364:

胃癌におけるMDM2及びp53蛋白発現の免疫組織学的検討

演者 遠藤 慎治(筑波大・消化器内科)
共同演者 松本 梨絵(筑波大・消化器内科), 廣瀬 充明(筑波大・消化器内科), 上野 卓教(筑波大・消化器内科), 平井 祥子(筑波大・消化器内科), 森脇 俊和(筑波大・消化器内科), 鈴木 英雄(筑波大・消化器内科), 兵頭 一之介(筑波大・消化器内科)
抄録 【背景・目的】p53癌抑制遺伝子の変異や欠失は半数以上の悪性腫瘍において認められ、野生型p53を有する腫瘍組織においても、p53機能を抑制するmurine double minute 2 (MDM2) やMDM4等の過剰発現による癌化の促進が知られている。今回,胃癌の切除標本におけるMDM2及びp53の蛋白発現の予後因子としての有用性について検討した。【方法】2005年から2008年までに当院外科で切除された胃癌48例切除標本のパラフィン包埋切片を用いて、MDM2及びp53蛋白発現を免疫組織化学染色法にて検討した。予後との相関において、全生存期間および無再発生存期間の解析にはKaplan-Meier法を用いた。【結果】MDM2及びp53蛋白の過剰発現は、48例中各々11例(23%), 6例(13%)で認められたが、両者の発現に相関は認められなかった。また、組織分化度,脈管侵襲,臨床病期とMDM2,p53蛋白過剰発現にも相関は認められなかった。全生存期間及び無再発生存期間についても、MDM2,p53蛋白発現レベルとの間に相関は認められなかったが、III,IV期の患者においては、p53高発現例が低発現例に比べ、全生存期間,無再発生存期間で共に有意な短縮を認めた。 【考察】胃癌組織におけるMDM2蛋白発現は予後との関連が認められなかったが、p53蛋白発現は病期進行例において、予後不良因子となることが示唆された。
索引用語 MDM2, p53