セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃・十二指腸(癌)2

タイトル 消P-365:

Gastric carcinoma with enteroblastic differentiationの1例

演者 石原 博雅(国立名古屋医療センター・外科)
共同演者 片岡 政人(国立名古屋医療センター・外科), 中山 裕史(国立名古屋医療センター・外科), 木下 満(国立名古屋医療センター・外科), 長谷川 和也(国立名古屋医療センター・外科), 高野 奈緒(国立名古屋医療センター・外科), 下山 理史(国立名古屋医療センター・外科), 初野 剛(国立名古屋医療センター・外科), 近藤 建(国立名古屋医療センター・外科)
抄録 症例は70歳男性.既往歴は特になし.2011年8月に黒色便を主訴に近医を受診した.血液検査にてHb7.6g/dlと貧血を認め,精査目的に上部消化管内視鏡検査を施行したところ,胃体上部に2型の腫瘍を認め,生検の結果GroupV,胃癌と診断された.腫瘍マーカーはCEA3.6ng/ml,CA19-9 10.0U/mlであり正常範囲であった.術前CTでは肝,肺などには明らかな遠隔転移は認めなかったが,胃大弯側のリンパ節腫大を認めた.手術目的に当院を受診し,胃癌の診断にて2011年9月胃全摘術,D2リンパ節郭清,Roux-Y再建,脾摘出術を施行した.病理組織検査では,大小不同の異型なスリガラス状の核を持ち,淡明な胞体を持つ細胞が,不整に腺管状~乳頭状に浸潤増殖していた.核下にも淡明胞体成分が多く,胎児腸管上皮に類似しており,carcinoma with enteroblastic differentiationと診断した.最終病期はpT3N2M0でstage3Bであった.免疫染色ではAFP(focal+),HER2(-),EGFR(+),c-kit(+ 15%),βcatenin(focal核+)であった.術後経過は良好であり,9PODに退院となった.今回我々は稀な腫瘍であるGastric carcinoma with enteroblastic differentiationの1例を経験したので報告する.
索引用語 胃癌, AFP