セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃・十二指腸(癌)3

タイトル 消P-366:

胃小細胞癌の長期生存例による予後因子の検討

演者 舟橋 整(名古屋市立大大学院・消化器外科学)
共同演者 宮井 博隆(名古屋市立大大学院・消化器外科学), 若杉 健弘(名古屋市立大大学院・消化器外科学), 石黒 秀行(名古屋市立大大学院・消化器外科学), 松尾 洋一(名古屋市立大大学院・消化器外科学), 木村 昌弘(名古屋市立大大学院・消化器外科学), 竹山 廣光(名古屋市立大大学院・消化器外科学)
抄録 【目的】胃小細胞癌は全胃癌中の0.06%~0.2%と極めてまれな疾患であり、通常の腺癌と比べて脈管浸潤や発育速度が速いため1年以内に約70%が死亡する予後の非常に悪い疾患である。今回、1985年以降に経験した胃小細胞癌症例のうち長期生存3例をもとに予後因子を検討した。【症例】症例1は80歳男性で、ML、cStageIBにて胃切除術を施行した。病理診断はpT2、pN0、pM0、fStageIBであり、chromogranin、synaptophisin陽性で胃小細胞癌と診断された。術後5’-DFURの投与がなされた。症例2は74歳女性で、L、cStageIBの病変に対し胃切除術を施行した。病理診断はpT1b、pN1、pM0、fStageIBであった。病理学的に胃小細胞癌と診断された。化学療法は同意を得られず施行されていない。症例3は71歳、男性。UM、cStageIIAの病変に対して噴門側胃切除術を施行した。病理診断はpT4a、pN1、pM0、pStageIIIAであった。病理学的に胃小細胞癌と診断され、術後補助化学療法としてTS-1+CDDPが施行された。【考察】胃小細胞癌に関しては効果的な化学療法のregimenが決まっていないのが現状である。本報告症例より、早期にはリンパ節郭清を伴う根治切除の施行により長期生存が得られた可能性が考えられ、進行例にはTS-1+CDDPの有効性が示唆された。また、接着因子などの免疫染色の比較から検討した予後因子の可能性を報告する。
索引用語 胃小細胞癌, 予後因子