セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃・十二指腸(癌)3

タイトル 消P-369:

当院における骨格筋転移をきたした進行胃癌症例の検討

演者 杉谷 義彦(滋賀医大・消化器内科)
共同演者 稲富 理(滋賀医大・消化器内科), 中井 理恵(滋賀医大・消化器内科), 神田 暁博(滋賀医大・消化器内科), 大崎 理英(滋賀医大・消化器内科), 今枝 広丞(滋賀医大・消化器内科), 児堀 綾子(滋賀医大・消化器内科), 伴 宏充(滋賀医大・消化器内科), 塩谷 淳(滋賀医大・消化器内科), 馬場 重樹(滋賀医大・消化器内科), 藤山 佳秀(滋賀医大・消化器内科), 望月 洋介(滋賀医大附属病院・光学医療診療部), 斎藤 康晴(滋賀医大附属病院・光学医療診療部), 安藤 朗(滋賀医大大学院・感染応答・免疫調節部門(消化器免疫))
抄録 【目的】胃癌の転移部位は,リンパ節・腹膜・肝臓が主で, 骨格筋は非常に稀である.今回我々は,当院で経験した胃癌骨格筋転移3症例についての臨床経過を当院で化学療法を行ったStage4進行胃癌との比較検討を加えて報告する.【症例1】70歳代男性.主訴は全身倦怠感.噴門部直下に潰瘍を伴う粘膜下腫瘍様の隆起性病変を認め,組織型はporであった.CT上,肺転移,多発リンパ節転移,脳転移に加えて,腸腰筋転移を認めた.S-1+CDDP療法3コースでPDとなり,S-1+CPT11療法1コース施行するも腫瘍の進行が早く,初診より7ヶ月後に永眠された.【症例2】60歳代男性.転移性脳腫瘍による左不全片麻痺で当院受診.噴門部に3型胃癌を認め,CT上,肺転移,リンパ節転移と共に腸腰筋転移を認め,組織型はtub1であった.S-1+CDDP療法2コースにてPDとなり,S-1+PTX療法1コース施行するも,徐々に全身状態が悪化し,初診より8ヶ月後に永眠された.【症例3】50歳代男性.主訴は心窩部痛.体上部に4型進行胃癌を認め,組織型はporであった.CT上,リンパ節転移に加えて,腸腰筋・臀筋・背筋に転移を認めた.S-1+CDDP療法3コースでPDとなり,TS-1+DOC療法2コース施行.初診より5ヶ月後現在,治療継続中である.【考察】当院で2005年から2011年まで化学療法を行ったstage4の進行胃癌 105症例のうち,転移部位の頻度は腹膜66.7%,3群リンパ節40.0%,肝39.0%の順に多く,骨格筋の頻度は2.9%であった.医学中央雑誌による検索では本邦で胃癌の骨格筋転移は47例であった.いずれも化学療法抵抗性で予後不良な症例が多く,本検討でも3例とも化学療法後にも関わらず,治療抵抗性で,早期に増悪を認めた.【結語】胃癌の転移形式としての骨格筋は稀ではあるが,予後不良因子の一つと考えられる.
索引用語 胃癌, 骨格筋転移