セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃・十二指腸(癌)3

タイトル 消P-370:

根治切除困難な進行胃癌に対するTS-1+CDDPを用いた術前化学療法の著効2症例

演者 栗原 直人(練馬総合病院・外科)
共同演者 坊岡 英祐(練馬総合病院・外科), 市原 明子(練馬総合病院・外科), 松浦 芳文(練馬総合病院・外科), 井上 聡(練馬総合病院・外科), 飯田 修平(練馬総合病院・外科)
抄録 胃癌に対する術前化学療法(以下、NAC)は、A. 根治手術が可能な症例に対するNAC,B. 当初根治不能と判断されて化学療法を行い,その結果手術が可能となったNACがある。今回、根治手術不能な2症例に対してNACにより、手術可能となった2症例を経験したので報告する。症例1は74歳、女性、食欲不振を主訴に精査施行し、スキルス胃癌、腹膜播種が疑われた。食事摂取が困難なため、栄養剤の内服を併用しながら、TS-1+CDDPによるNAC施行した。年齢を考慮し、投与量は体重換算に減量した。10クール施行し、非切除因子がないため、診断から1年後に手術施行した。手術診断は胃癌(MU、T3(SE), N-、H-、P-)、病理診断はMP., N0であった。術後経過は良好にて、外来化学療法継続予定である。症例2は62歳、男性。主訴は貧血。既往歴に特記すべきことなし。上部消化管内視鏡検査にて胃癌(MU post 3)と診断。CTで膵への浸潤が疑われた。試験開腹にて腹膜播種、後腹膜浸潤のため切除不能と判断し、術後早期からTS-1+CDDPによるNACを開始した。8クール施行し、腫瘍の著明な縮小効果みとめ、切除可能と判断し、10カ月目に手術施行した。手術診断は胃癌(MU、T3(SE), N+、H-、P+)であった。胃全摘術、RY再建施行し、術後経過良好にて外来化学療法継続予定である。化学療法の支持療法の改善・確立により、副作用が抑制されるため継続治療が可能となった。切除不能胃癌では食事摂取に制限があるため栄養管理が問題となる。栄養管理を含めた総合的集学的治療により切除不能胃癌が長期生存できることが望まれる。
索引用語 術前化学療法, 根治切除困難な胃癌