セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃・十二指腸(癌)4

タイトル 消P-372:

胃癌におけるメチル化定量の検討

演者 折田 創(順天堂大静岡病院・外科)
共同演者 伊藤 智彰(順天堂大静岡病院・外科), 櫻田 睦(順天堂大静岡病院・外科), 前川 博(順天堂大静岡病院・外科), 森脇 稔(順天堂大静岡病院・外科), 和田 了(順天堂大静岡病院・病理診断科), M.  Brock(Thoracic Surgery, Johns Hopkins University), 佐藤 浩一(順天堂大静岡病院・外科)
抄録 (はじめに)胃癌発生には、Helicobacter Pylori菌感染による複数のCpGアイランドのDNAメチル化異常が関与していることが報告されている。メチル化頻度と胃癌のリスクとが相関することも報告されているが、それぞれのゲノム修飾の程度・レベルについては、いまだ十分に解析がなされていないのが現状である。今回我々は、Real time PCR法を併用してのメチル化解析を行い、各癌関連遺伝子DNAの異常メチル化レベルの、臨床病理学的な意義、マーカーとしての有用性について検討を行う。(対象) 2009年以降、当院で手術を施行した胃癌症例42症例(方法)  それぞれ下記の遺伝子のメチル化量と42例との臨床病理学的な検討を行う。 (検討遺伝子) APC遺伝子、P16 遺伝子、CHFR遺伝子(結果)  42例中DNA異常メチル化の発現は、APC遺伝子22例(53%)、P16遺伝子10例(24%)、CHFR遺伝子 7例(17例)であった。また、Real time PCRでの平均は、APC(0.30) P16 (0.21) CHFR (0.06)であった。各遺伝子ともに臨床病理学的所見とは相関関係を認めなかった。Cox回帰分析においては、APC遺伝子の異常メチル化量と予後因子に優位な傾向を認めた。(結語) 胃癌においても、腸粘膜細胞の分化増殖を調節しているとされるAPC遺伝子の異常メチル化が高頻度に認められ、予後との関係も示唆されており、今後さらなる検討が必要と考えられる。
索引用語 胃癌, メチル化