セッション情報 |
ポスターセッション(消化器病学会)
胃・十二指腸(治療(化学療法))
|
タイトル |
消P-378:Helicobacter pylori除菌後の胃粘膜組織学的変化と血清ペプシノゲンとの関連についての検討
|
演者 |
中川 善文(大分大附属病院・消化器内科) |
共同演者 |
平下 有香(大分大附属病院・消化器内科), 小川 竜(大分大附属病院・消化器内科), 水上 一弘(大分大附属病院・消化器内科), 沖本 忠義(大分大附属病院・消化器内科), 兒玉 雅明(大分大附属病院・消化器内科), 村上 和成(大分大附属病院・消化器内科), 藤岡 利生(大分大附属病院・消化器内科) |
抄録 |
【目的】Helicobacter pylori(HP)除菌後の胃粘膜の組織学的な変化とペプシノゲン(PG)値の変化との長期的な関連を明らかにすること。【方法】1997年1月から2011年12月の間、5年以上、上部消化管内視鏡及び血液検査でフォローアップし得たHP除菌成功例51例を対象とした。胃粘膜の組織学的な評価は、除菌前、除菌1か月後、1年後及び5年後に行った上部消化管内視鏡検査時に胃前庭部大彎と胃体中部大彎より得た生検標本を用い、Updated Sydney Systemにより行った。血清ペプシノゲンに関しては、それぞれの内視鏡施行時に得た血清を用い、PGI、PGII、PGI/II比を測定した。また、対象を除菌5年後において、組織学的に萎縮、腸上皮化生のいずれも認めないものをA群(15例)、萎縮は認めるが腸上皮化生は認めないものをB群(21例)、いずれも認めるものをC群(15例)に分類し、各群において組織学的所見とPG値との相関に関する検討を行った。【成績】炎症、活動性、萎縮は、除菌1か月後より有意に改善を認め、その傾向は5年後も持続した。前庭部大彎においては除菌1年後より有意に腸上皮化生の改善を認めた。PGI、PGIIはいずれも除菌1か月後から有意な低下を示したが、5年後には上昇傾向となった。PGI/II比は除菌1か月後より有意に上昇した。B群において除菌後1か月後及び1年後に萎縮とPG値の間で有意な相関が認められた。また除菌前と除菌1か月後に腸上皮化生とPGI/II比との間に相関を認めた。これらの相関は5年後には認められなくなった。その他の群では萎縮、腸上皮化生とPG値の間で有意な相関は認められなかった。【結論】除菌後の組織学的所見の改善に伴いPGI、PGIIはいずれも減少するが、PGIIの減少が著明であるためPGI/II比は上昇する傾向にあった。また長期的に萎縮が残存するが腸上皮化生は改善する群においては、除菌後1年以内の萎縮及び腸上皮化生とPG値との間に有意な相関が認められた。 |
索引用語 |
Helicobacter pylori, ペプシノゲン |