セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃・十二指腸(治療(化学療法))

タイトル 消P-380:

胃癌化学療法の効果と栄養状態、末梢血リンパ球数との関連

演者 諸橋 大樹(大森赤十字病院・消化器内科)
共同演者 芦刈 圭一(大森赤十字病院・消化器内科), 河野 直哉(大森赤十字病院・消化器内科), 関 志帆子(大森赤十字病院・消化器内科), 西郡 修平(大森赤十字病院・消化器内科), 天野 由紀(大森赤十字病院・消化器内科), 高橋 昭裕(大森赤十字病院・消化器内科), 濱中 潤(大森赤十字病院・消化器内科), 千葉 秀幸(大森赤十字病院・消化器内科), 井田 智則(大森赤十字病院・消化器内科), 太原 洋(大森赤十字病院・消化器内科), 後藤 亨(大森赤十字病院・消化器内科)
抄録 【目的】化学療法の効果と栄養状態との関連ついては一定の見解は得られていない。リンパ球数は免疫の指標であるとともに栄養状態の指標ともされ、化学療法の効果との関連も検討されている。今回、胃癌化学療法適応患者でリンパ球数が栄養の指標となりうるか、胃癌化学療法の効果と栄養、リンパ球数との関連を検討した。【方法】2006年1月から2012年2月まで当科で手術不能進行・再発胃癌と診断し、化学療法を行った32例(男:女 26:6、平均年齢66.8歳)で、化学療法開始前のリンパ球数とアルブミン値(Alb)、コリンエステラーゼ値(CHE)、総コレステロール値(TC)との相関の有無を調べた。次に、そのうち1次治療としてS-1+CDDPで化学療法を行った14例(男:女 11:3、平均年齢61.7歳)で、化学療法開始前のリンパ球数、Alb、CHE、TCと生存期間との相関の有無、リンパ球数の高低による治療効果の比較、治療効果別(CR+PR群とSD+PD群)のリンパ球数の比較を行った。【成績】化学療法を行った32例では、リンパ球数とAlb、CHEは有意な正の相関を認めたが、TCでは有意な相関を認めなかった。そのうち1次治療としてS-1+CDDPで化学療法を行った14例では、リンパ球数、Alb、CHEと生存期間は有意な正の相関を認めたが、TCでは有意な相関を認めなかった。リンパ球数1500/μl以上を正常群(5例)、未満を低下群(14例)とすると、50%生存期間は正常群16.1ヶ月、低下群8.0ヶ月、奏効率はそれぞれ60%、44%で正常群で良好であった。CR+PR群(7例)はS-1+CDDP 1クール開始前のリンパ球数1438±635/μlに対し、2クール開始前は1995±580/μlと有意な上昇を示したが、SD+PD群(7例)は1クール開始前1422±382/μl、2クール開始前1551±349/μlで差を認めなかった。【結論】リンパ球数はAlbやCHEと同様に胃癌化学療法適応患者の栄養状態の指標となりうるとともに、予後、治療効果の指標になる可能性が考えられた。
索引用語 胃癌, 化学療法