セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃・十二指腸(治療(化学療法))

タイトル 消P-381:

高齢者の切除不能進行胃癌に対する治療成績

演者 三浦 由雄(市立伊丹病院・消化器内科)
共同演者 山口 典高(市立伊丹病院・消化器内科), 満田 千晶(市立伊丹病院・消化器内科), 佐野村 珠奈(市立伊丹病院・消化器内科), 堀木 優志(市立伊丹病院・消化器内科), 荻山 秀治(市立伊丹病院・消化器内科), 佐治 雪子(市立伊丹病院・消化器内科), 村山 洋子(市立伊丹病院・消化器内科), 筒井 秀作(市立伊丹病院・消化器内科)
抄録 【背景】高齢化社会の進行に伴い高齢者に対する癌治療の必要性が急速に増大していが、胃癌における化学療法の臨床試験は75歳以下を対象としたものが多く、中期高齢者や後期高齢者に対する化学療法のエビデンスは乏しい。今回、中期高齢者や後期高齢者の切除不能進行胃癌に対する治療成績を明らかにする。【対象と方法】2007年8月から2012年1月まで胃癌と診断され当院に入院した468例のうち、切除不能・再発進行胃癌と診断された140例を64以下の非高齢群(A群)、65歳~74歳の前期高齢群(B群)、75歳~84歳の中期高齢群(C群)、85歳以上の後期高齢群(D群)に分け、その内化学療法が施行された49例(男女比33:16、平均年齢66.9歳)につき、治療方法および薬剤の選択とその予後の関係を各年齢層別にレトロスペクティブに検討した。【結果】A群は31例、B群44例、C群53例、D群12例で、中期高齢者、後期高齢者が約半数を占めた。治療法の内訳(化学療法:BSC)はA群(16:15)、B群(22:22)、C群(11:42)、D群(0:12)と高齢群ほどBSCの割合が増加した。化学療法剤の内訳(TS-1:PTX:TS1+CDDP:CPT+CDDP:TS-1+PTX)はA群(2:3:10:1:0)、B群(3:4:14:0:1)、C群(5:3:3:0:0)であり高齢群ほど単剤療法の割合が増加した。化学療法を受けた症例全体を対象とすると単剤療法に比べ併用療法の生存期間中央値(MST)が325日:380日と有意に延長していた。また、化学療法を受けたA群、B群、C群のMSTはそれぞれ402日、339日、367日でBSC群に比べ良好であった。一方、A群、B群、C群間ではMSTには統計学的な有意差は認めなかった。【結論】化学療法の適応を満たす場合には、中期高齢者群の予後は非高齢者や前期高齢者群と比べ遜色ないと考えられた。
索引用語 胃癌, 高齢者