セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃・十二指腸(治療(化学療法))

タイトル 消P-383:

化学療法奏効後に手術を施行したStageIV胃癌症例の検討

演者 佐藤 康裕(国立北海道がんセンター・消化器内科)
共同演者 佐川 保(国立北海道がんセンター・消化器内科), 堀口 拓人(国立北海道がんセンター・消化器内科), 大須賀 崇裕(国立北海道がんセンター・消化器内科), 中村 とき子(国立北海道がんセンター・消化器内科), 藤川 幸司(国立北海道がんセンター・消化器内科), 高橋 康雄(国立北海道がんセンター・消化器内科)
抄録 【目的】領域リンパ節以外の転移を認めるStageIV胃癌でも化学療法著効例では根治切除の対象となることがある。このような症例は非治癒因子が比較的小さく、PS良好、抗がん剤感受性であることが多いため、手術の有無にかかわらず予後良好な対象であり、手術の意義を評価することは難しい。我々は化学療法が奏効し手術を施行した症例を検討し、適応とすべき対象、時期などについて検討した。【対象】2005年から2010年までに当院で化学療法を行ったStageIV胃癌162例のうち、化学療法が奏効し根治を目的として手術を施行した20例についてretrospectiveに解析した。【結果】単一の非治癒因子は17例(リンパ節転移9例、腹膜3例、臓器転移5例)であり、複数は3例であった。初回治療はDCS15例、S-1+CDDP2例、その他3例、手術までの期間は中央値3M(2-22M)、術前化学療法のregimen数は1/2/3が12/7/1例、R0手術は11例、臓器転移切除は肝切除の1例、D3郭清も1例のみであった。化学療法治療効果はGrade 0/1a/1b/2/3が2/10/5/2/1例であった。無再発生存期間(RFS)中央値14M(1-74M)、MST29M(2-74M)であり、3年以上の無再発生存例を5例認め非治癒因子がリンパ節転移の2例と臓器転移の3例であった。臓器転移例は他の非治癒因子と比べ有意に生存期間が長く(P=0.0366)、5例中4例が画像上転移巣の消失がえられ原発巣切除を行った症例であった。手術までの期間を3M以内/3M以上で比較しRFS中央値14M/17M、MST30M/36M、また術前regimen数を1regimen/2regimen以上で比較しRFS中央値6M/18M、MST30M/36Mであり、有意差がないものの術前化学療法を長く行った症例で予後が良好な傾向であった。【結語】化学療法後手術をおこなった症例の予後は比較的良好であり、長期無再発生存例も認めた。非治癒因子別の比較では臓器転移例で長期の生存期間が得られた。手術時期については必ずしも早期の手術が良好な予後にはつながっていなかった。
索引用語 胃癌, 化学療法