セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃・十二指腸(症例報告/その他)1

タイトル 消P-386:

A型胃炎に併発した多発性胃カルチノイドの2切除例

演者 六車 一哉(大阪市立大大学院・腫瘍外科学)
共同演者 田中 浩明(大阪市立大大学院・腫瘍外科学), 櫻井 克宣(大阪市立大大学院・腫瘍外科学), 木村 健二郎(大阪市立大大学院・腫瘍外科学), 永原 央(大阪市立大大学院・腫瘍外科学), 天野 良亮(大阪市立大大学院・腫瘍外科学), 野田 英児(大阪市立大大学院・腫瘍外科学), 久保 尚士(大阪市立大大学院・腫瘍外科学), 八代 正和(大阪市立大大学院・腫瘍外科学), 山田 靖哉(大阪市立大大学院・腫瘍外科学), 山本 篤(大阪市立総合医療センター・消化器外科), 清水 貞利(大阪市立総合医療センター・消化器外科), 山下 好人(大阪市立総合医療センター・消化器外科), 前田 清(大阪市立大大学院・腫瘍外科学), 澤田 鉄二(大阪市立大大学院・腫瘍外科学), 大平 雅一(大阪市立大大学院・腫瘍外科学), 平川 弘聖(大阪市立大大学院・腫瘍外科学)
抄録 [症例1]73歳、男性。心窩部不快感にて上部消化管内視鏡検査を受けたところ、胃体部中心に最大5mmの粘膜下腫瘍の形態をとる多発性腫瘤を認め、生検にてカルチノイドと診断された。血中ガストリン値は3500pg/dlと著明に高値を示し、24時間胃内PHモニタリングにて無酸症であり、抗胃壁細胞抗体陽性であった。A型胃炎と高ガストリン血症を伴う多発性胃カルチノイドと診断し、幽門側胃切除術を施行した。術後、血清ガストリン値は正常化した。病理学的所見では、粘膜筋板直上に多数の内分泌細胞微小胞体(ECM)および微小カルチノイドを認めた。[症例2] 49歳、女性。心窩部不快感を主訴に上部消化管内視鏡検査をうけたところ胃体部の高度な萎縮と、胃体上部に5mm径の多発性隆起性病変を認め、生検にて胃カルチノイドと診断された。血中ガストリン値は6406pg/mlと著明高値を呈していたため、A型胃炎に伴う多発性胃カルチノイドと考えられ、幽門側胃切除を施行した。血中ガストリン値は術翌日に正常化し、術後7ヶ月の上部消化管内視鏡検査では胃体上部のカルチノイドは消失していた。 これら2症例は、A型胃炎と高ガストリン血症を背景として発生する多発性カルチノイドであり、貴重な症例と考えられたため若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 A型胃炎, 胃カルチノイド