セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃・十二指腸(症例報告/その他)1

タイトル 消P-388:

当院における内視鏡的胃瘻造設の適応と造設後の管理

演者 上嶋 弾(阪和住吉総合病院・消化器センター)
共同演者 倉本 貴典(阪和住吉総合病院・消化器センター), 板橋 司(阪和住吉総合病院・消化器センター), 横濱 桂介(阪和住吉総合病院・消化器センター), 依藤 直紀(阪和住吉総合病院・消化器センター)
抄録 【はじめに】当院はグループ内に5000床以上の療養型ベッドを持つ一般急性期病院である。そのため主に病病連携による毎年約100~150例の経口摂取困難な患者に対するPEGを行っている。我々のグループ内でのPEGの適応と成績、安全管理の現状を紹介する。【適応と成績】当院ではまず依頼元の主治医がPEGの適応について判断し、その後必ず紹介状とともに患者家族が当院の外来を受診することで適応に関して2重チェックを行っている。原疾患では脳梗塞後遺症、脳出血後遺症、認知症、パーキンソン病が多いが、原疾患が比較的安定しておりバイタルサインに問題がないこと、肺炎などの合併症が軽快していること、PEGに耐えることが可能な全身状態であること、胃瘻からの栄養を行うことで最低1カ月の予後を見込めること、胃瘻が最も適した栄養ルートであること、原則として患者家族がPEGに伴う合併症を理解した上でPEGを希望すること、の全ての条件を満たした場合にのみPEGを行っている。術前の栄養状態によってPEGの適応を判断することはない。当院ではクリティカルパスを用いて全てPULL方式でPEGを行っているが医療行為の介入が必要となるような術関連合併症は最近3年間全く認めていない。術後1カ月以内の死亡例も認めていない。【造設後の管理】瘻孔周囲の感染は、石鹸や水道水による洗浄により予防している。ストッパーを十分に緩める、カテーテルを皮膚に対して垂直に立てるなどにより過剰な肉芽形成を予防している。栄養剤の瘻孔からの漏れを稀に経験するが、消化管運動を亢進させたり消化管内圧を低下させたりカテーテルをサイズアップすることで解決している。胃食道逆流が著明な場合にはPEG-Jカテーテルへの交換も行っている。基本に忠実な管理を行うことにより最近3年間は大きなトラブルを経験していない。【結語】当院におけるPEGの適応と造設後の管理について述べた。特別な工夫はなく、適応を慎重に判断し、全て基本に忠実に行うことでトラブルを回避できるものと考える。
索引用語 胃瘻, 適応