セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃・十二指腸(症例報告/その他)2

タイトル 消P-394:

出血性胃十二指腸潰瘍における内視鏡的止血困難例の検討

演者 神野 秀基(三豊総合病院・消化器科)
共同演者 守屋 昭男(三豊総合病院・消化器科), 安齋 泰子(三豊総合病院・消化器科), 竹内 桂子(三豊総合病院・消化器科), 吉田 泰成(三豊総合病院・消化器科), 幡 英典(三豊総合病院・消化器科), 今川 敦(三豊総合病院・消化器科), 中津 守人(三豊総合病院・消化器科), 安東 正晴(三豊総合病院・消化器科)
抄録 【目的】出血性胃十二指腸潰瘍に対する内視鏡的止血術は、deviceの改良により飛躍的に成功率が向上しているが、一次止血後に再出血をきたす症例や外科的手術またはIVRを要する症例も少なからず存在する。今回、一次止血のみでは治癒し得なかった症例について検討した。【方法】2010年4月から2012年3月までに当院で緊急内視鏡的止血術が施行された出血性胃十二指腸潰瘍98例(男性82例、女性16例、平均年齢68.1±14.8歳)のうち一次止血のみでは治癒し得なかった症例における患者背景、バイタルサイン、血液生化学所見、内視鏡所見、止血方法、入院期間について、一次止血のみで治癒した症例と比較した。【成績】一次止血は96例(98%)で成功した。一次止血不成功例のうち、1例は外科手術となり、1例は内視鏡処置中に状態悪化しその後死亡した。一次止血成功例のうち7例(7%)で再出血が認められた。一次止血不成功または再出血例(計9例)を一次止血のみで治癒した症例(89例)と比較したところ、基礎疾患あり(100% vs. 58.4% 、P=0.013)、抗血小板薬内服あり(55.6% vs. 22.5% 、P=0.045)、H2ブロッカーまたはPPI内服あり(44.4% vs. 11.2%、P=0.022)、Forrest分類IaまたはIb(66.7% vs. 27.0% 、P=0.022)について有意な差が認められた。その他の背景因子や止血方法には有意な差は認められなかった。また、入院期間は不成功群で有意に長期であった(23±11日 vs. 13±14日、P=0.041)。【結論】内視鏡的止血術を行う際、基礎疾患あり、抗血小板薬内服中、H2ブロッカーまたはPPI内服中、Forrest分類Ib以上の潰瘍のいずれかに該当する場合は、一次止血のみで止血できない可能性が高いことや入院期間の長期化を念頭に置き治療に当たるべきと考えられた。
索引用語 出血性胃十二指腸潰瘍, 止血困難