セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃・十二指腸(症例報告/その他)2

タイトル 消P-395:

超高齢者の上部消化管出血症例の特徴

演者 深澤 佳満(山梨県立中央病院・消化器内科)
共同演者 小嶋 裕一郎(山梨県立中央病院・消化器内科), 川上 智(山梨県立中央病院・消化器内科), 久野 徹(山梨県立中央病院・消化器内科), 岩本 史光(山梨県立中央病院・消化器内科), 廣瀬 純穂(山梨県立中央病院・消化器内科), 津久井 雄也(山梨県立中央病院・消化器内科), 細田 健司(山梨県立中央病院・消化器内科), 星野 裕治(山梨県立中央病院・消化器内科), 廣瀬 雄一(山梨県立中央病院・消化器内科), 鈴木 洋司(山梨県立中央病院・消化器内科), 望月 仁(山梨県立中央病院・消化器内科), 小俣 政男(山梨県立中央病院・消化器内科)
抄録 【背景】社会の高齢化が進み、高齢者の上部消化管出血に対する治療の機会が増加している。【目的】高齢者の上部消化管出血の特徴を明らかにする目的で検討を行った。【方法】2008年1月~2012年2月に当院で内視鏡的止血術を行った食道胃静脈瘤を除く321名(433症例)のうち、超高齢者群(90歳以上、n=14)、若年者群(50歳以下、n=21)に分類し、retrospectiveに比較検討した。【結果】年齢は超高齢者群93.4歳(90-100歳)、若年者群40.9歳(19-50歳)、男女比は超高齢者群では男性36%(5/14)、女性64%(9/14)、若年者群では男性86%(18/21)、女性14%(3/21)であり、超高齢者群では女性が多かった(p<0.05)。高血圧症の合併は、超高齢者群では71%(10/14)、若年者群では10%(2/21)であり、超高齢者群で有意に多かった(p<0.05)。また、抗血小板薬・抗凝固薬を内服している症例は超高齢者群64%(9/14)、若年者群5%(1/21)で超高齢者群に多く、有意差を認めた(p<0.05)。原因疾患としては胃十二指腸潰瘍が両群ともに多く(超高齢者群79%(11/14)、若年者群67%(14/21))、その他の原因疾患としては、マロリーワイス症候群、血管拡張症、食道潰瘍、腫瘍であった。再出血した症例は超高齢者群21%(3/14)、若年者群10%(2/21)であり、有意差は認めなかった(p>0.05)。死亡例は5症例で、超高齢者群29%(4/14)、若年者群5%(1/21)であった(p<0.05)。死因は、超高齢者群4症例のうち出血死2症例(十二指腸潰瘍)、誤嚥性肺炎1症例(胃潰瘍)、腎不全1例(マロリーワイス症候群)であり、若年者群では出血死1症例(十二指腸潰瘍)であった。【結語】超高齢者の上部消化管出血では基礎疾患合併例が多く、抗血小板薬・抗凝固薬を内服している症例が多い。上部消化管出血以外の原因で死亡する可能性も高いことから、短時間で確実な止血を行うことが重要である。
索引用語 超高齢者, 出血