セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)十二指腸1 |
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タイトル | 消P-420:悪性胃十二指腸狭窄に対するmetallic stent留置術の有用性と安全性 |
演者 | 久居 弘幸(伊達赤十字病院・消化器科) |
共同演者 | 小野 道洋(伊達赤十字病院・消化器科), 山田 尚太(伊達赤十字病院・消化器科), 小柴 裕(伊達赤十字病院・消化器科), 和田 浩典(伊達赤十字病院・消化器科), 宮崎 悦(伊達赤十字病院・消化器科), 前田 喜晴(伊達赤十字病院・外科), 佐藤 正文(伊達赤十字病院・外科), 川崎 亮輔(伊達赤十字病院・外科), 行部 洋(伊達赤十字病院・外科), 中島 誠一郎(伊達赤十字病院・外科), 岡川 泰(札幌医大・4内科), 嘉成 悠介(札幌医大・4内科) |
抄録 | 【目的】地方病院である当院の悪性胃幽門部十二指腸狭窄(MGOO)症例に対するself-expandable metallic stent(SEMS)留置術の有用性と安全性を検討した。 【方法】対象は1999年4月~2012年3月までにSEMS留置術を試みたMGOO 44例のべ52回(年齢46~94歳、平均78歳、男性26例、女性18例、観察期間8~513日、中央値55日)。原発巣は胃22例、膵12例、胆嚢5例、胆管3例、十二指腸1例、不明1例。狭窄部位は幽門部14例、吻合部3例、十二指腸27例(幽門部~下行脚1、球部~下行脚21、下行脚~水平脚3、水平脚2)。初回使用SEMSはOTW type 27例(covered 2例)、TTS type 17例(covered 1例)で、留置後の化学療法は8例に施行した。検討項目は、1)手技成功率、2)臨床的成功率、3)手技施行時間、4)SEMS開存期間および生存期間、5)胆管ドレナージ施行例、6)偶発症、とした。 【成績】1)SEMS留置成功率は95.5%(42/44例、OTW2例不成功)であった。2)GOOSS (Gastric Outlet Obstruction Scoring System、Alder GA、AJG 2002)による臨床的成功率は88.1%(37/42例)で、留置前0.4から留置後1.6へ有意に経口摂取の改善が得られた(P<0.001)。3)施行時間(平均)はOTW 41分、TTS 25分であり、有意にTTSで施行時間の短縮が得られた(P=0.0008)。4)平均開存期間は138日(3か月90%、6か月60%)、留置後平均生存期間は117日(3か月41%、6か月20%)であった。5)胆管ドレナージ(ステント留置を含む)は23例 (54.8%)に施行した(経皮的9例、経乳頭的11例、EUSガイド下3例)。6)再閉塞を10例(28.6%)に認め、8例に追加SEMS留置、1例に胃空腸吻合術(GJJ)を施行した。その他、発熱4例、逸脱2例(1例GJJ施行)、胆管炎2例、膵炎1例、出血1例、穿孔1例(食道胃接合部)を認めた。 【結論】MGOOに対するSEMS留置術は有用な緩和治療であるが、偶発症を念頭に置いて施行することが肝要である。 |
索引用語 | gastric outlet obstruction, metallic stent |