セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

十二指腸1

タイトル 消P-422:

十二指腸乳頭部腫瘍における免疫組織化学的検討

演者 安元 真希子(久留米大・病理学)
共同演者 秋葉 純(久留米大・病理学), 内藤 嘉紀(久留米大・病理学), 小笠原 幸子(久留米大・病理学), 中山 正道(久留米大・病理学), 角 明子(久留米大・病理学), 真田 咲子(久留米大・病理学), 佐々木 優(久留米大・消化器内科), 牛島 知之(久留米大・消化器内科), 石田 祐介(久留米大・消化器内科), 杉山 元(久留米大・消化器内科), 岡部 義信(久留米大・消化器内科), 木下 壽文(久留米大・外科), 鶴田 修(久留米大・消化器内科), 佐田 通夫(久留米大・消化器内科), 矢野 博久(久留米大・病理学)
抄録 【目的】十二指腸乳頭部は解剖学的に複雑な構造を有しており、乳頭部腫瘍の進展様式は症例間により様々である。近年では内視鏡的切除術が行われるようになり、切除前のより正確な臨床病理学的診断が望まれる。今回我々は、十二指腸乳頭部腫瘍の内視鏡的及び外科的切除標本を用い、乳頭部腺腫及び腺癌における免疫組織化学を用い、その発現態度について検討を行った。【方法】内視鏡的及び外科的切除が施行された十二指腸乳頭部腺腫 8例、乳頭部腺癌 14例(上皮内癌 6例、浸潤癌 8例)に対し、CK7、CK20、CD10、EpCAMを用いて免疫組織化学検討を行った。評価方法は、染色領域(0; <10%, 1; 10-39%, 2; 40-69% 3; 70-100%)と、染色強度(0; 陰性, 1; 弱陽性, 2; 強陽性)をそれぞれスコア化し、それらを足して3点以上を陽性とした。【結果】 CK7は、腺腫4/8(50%)、腺癌12/14(86%)で陽性であった。CK20は、腺腫に全例(100%)で発現が見られたのに対し、腺癌では8/14(57%)であった。CD10の発現に関しては、腺腫7/8(88%)に対し、腺癌では 5/14(36%)であった。またそのうち上皮内癌では3/6(50%)で発現が見られたのに対し、浸潤癌での発現は、2/8(33%)であった。EpCAMの発現は、腺腫 2/8(25%)に対し、腺癌 11/12(93%)で過剰発現が見られた。【結論】十二指腸乳頭部癌において、CD10及びCK20は発現が消失する傾向にあるのに対し、EpCAMは過剰発現する傾向が見られた。CD10は乳頭部癌の中でも、より浸潤癌において発現が消失する傾向にあった。EpCAMに関しては腺腫で発現が乏しく、腺癌で過剰発現が見られる傾向にあった。これらの免疫組織化学結果をもとに、深達度や病期などの臨床病理学的因子を含めて報告する。
索引用語 十二指腸乳頭部腫瘍, 免疫組織化学