セッション情報 |
ポスターセッション(消化器病学会)
十二指腸2
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タイトル |
消P-427:手術不能膵癌に対するGemcitabine併用陽子線治療における急性期上部消化管粘膜障害の評価
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演者 |
高取 健人(市立加西病院・内科) |
共同演者 |
蓬莱 亞矢(市立加西病院・内科), 佐竹 信哉(市立加西病院・内科), 大瀬 貴之(市立加西病院・内科), 北嶋 直人(市立加西病院・内科), 寺嶋 千貴(兵庫県立粒子線医療センター・放射線科) |
抄録 |
【目的】手術不能膵癌に対するGemcitabine併用陽子線治療における急性期上部消化管粘膜障害の評価【方法】対象は2010年1月から2012年1月に兵庫県立粒子線医療センターで治療を行った全144例の手術不能膵癌患者中、治療前後で小腸内視鏡(FUJINON EN-450P5/20)により十二指腸水平脚まで観察が可能であった109例(男性59例、女性50例 年齢中央値64歳)。治療内容はGemcitabine(800mg/m2, day 1,8,15)併用の陽子線治療(67.5GyE/25fr)。全例に治療開始前より胃酸分泌抑制剤、胃粘膜保護剤を投与した。治療終了時の内視鏡検査において、放射線胃十二指腸炎の内視鏡的所見及び発現部位を記録した。【成績】治療終了時92例(84.4%)に、計140病変の粘膜障害を認めた。内視鏡的所見により、潰瘍、糜爛、発赤、表層性粘膜炎に分類したところ、潰瘍は6(4.3%)、糜爛は87(62.1%)、発赤は11(7.9%)、表層性粘膜炎は36(25.7%)であった。粘膜障害の発現部位は胃上部1(0.7%)、胃中部3(2.1%)、胃下部61(43.6%)、十二指腸球部10(7.1%)、下行脚23(16.4%)、水平脚42(30%)であった。粘膜障害を認めた群92例と認めなかった群17例につき、性別、年齢、performance status、膵癌の部位、TMN分類T因子、前治療(化学療法)の有無、ヘリコバクターピロリ抗体の有無、NSAIDs内服の有無を検討したが、いずれも有意差は認められなかった。【結論】手術不能膵癌に対する陽子線治療に伴う上部消化管粘膜障害は治療終了時に高率(84.4%)に発生していることが判明したが、出血性病変は認めず、全例保存的治療により対応できた。内視鏡的所見は糜爛が半数以上を占め、膵癌の部位に関わらず粘膜障害は胃下部、十二指腸水平脚に好発していた。 |
索引用語 |
放射線胃十二指腸炎, 膵癌 |