セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

小腸(基礎)

タイトル 消P-433:

小腸虚血再灌流傷害における一酸化炭素による炎症制御機構:NF-E2 related factor 2 (Nrf2)の役割

演者 堅田 和弘(京都府立医大大学院・消化器内科学)
共同演者 内藤 裕二(京都府立医大大学院・消化器内科学), 高木 智久(京都府立医大大学院・消化器内科学), 飯田 貴弥(京都府立医大大学院・消化器内科学), 水島 かつら(京都府立医大大学院・消化器内科学), 寄木 浩行(京都府立医大大学院・消化器内科学), 辻 俊史(京都府立医大大学院・消化器内科学), 福居 顕文(京都府立医大大学院・消化器内科学), 久貝 宗弘(京都府立医大大学院・消化器内科学), 鎌田 和浩(京都府立医大大学院・消化器内科学), 内山 和彦(京都府立医大大学院・消化器内科学), 石川 剛(京都府立医大大学院・消化器内科学), 半田 修(京都府立医大大学院・消化器内科学), 小西 英幸(京都府立医大大学院・消化器内科学), 八木 信明(京都府立医大大学院・消化器内科学), 古倉 聡(京都府立医大大学院・消化器内科学), 市川 寛(同志社大・生命医科学部医生命システム学科), 吉川 敏一(京都府立医大大学院・消化器内科学)
抄録 【目的】小腸虚血再灌流傷害は酸化ストレスによる炎症と白血球の動員を特徴としている。ヘムオキシゲナーゼ(HO)-1やHO-1によるヘムの分解産物である一酸化炭素(CO)は様々なモデルにおいて抗炎症効果を示すことがこれまで報告されている。また近年COがNF-E2 related factor 2 (Nrf2)を活性化し抗炎症効果を発揮することが報告されている。そこで小腸虚血再灌流傷害における水溶性CO-releasing molecule (CORM3)による抗炎症効果およびNrf2の役割について検討した。【方法】WTおよびNrf2欠損マウスを用いてまたWTマウスにCORM3を投与後、上腸間膜動脈を45分間クランプ、その後4時間再灌流する小腸虚血再灌流傷害モデルを作成した。【結果】小腸粘膜中のTNF-alpha・KCの発現、好中球浸潤の指標であるMPO活性は、WTマウスでは有意に上昇していた。CORM3の投与により上記炎症マーカーは軽減していたが、Nrf2やHO-1の発現は亢進していた。またNrf2欠損マウスではこれら炎症マーカーは有意に増悪していた。【結論】COの抗炎症効果にNrf2を介したその下流の遺伝子の調整が重要であり、COが小腸虚血再灌流傷害における治療標的分子となる可能性が示唆された。
索引用語 一酸化炭素, 虚血再灌流傷害