セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

小腸(臨床)1

タイトル 消P-436:

当院における小腸出血の検討

演者 高橋 正倫(東芝病院・消化器内科)
共同演者 松原 康朗(東芝病院・消化器内科), 柿本 光(東芝病院・消化器内科), 井上 陽介(東芝病院・消化器内科), 三好 由里子(東芝病院・消化器内科), 中込 良(東芝病院・消化器内科), 田上 大祐(東芝病院・消化器内科), 田代 淳(東芝病院・消化器内科), 手島 一陽(東芝病院・消化器内科), 金原 猛(東芝病院・消化器内科), 三輪 純(東芝病院・消化器内科), 太田 裕彦(東芝病院・消化器内科), 新井 雅裕(東芝病院・消化器内科)
抄録 【はじめに】近年のカプセル内視鏡、バルーン内視鏡の進歩により小腸疾患の診断、治療は飛躍的に向上している。一方で小腸内視鏡は通常の上下部内視鏡に比べ使用頻度は低く、設備をもたない施設では小腸疾患の診療に難渋するケースも少なくない。今回われわれは当院にて経験された小腸出血例につき、その臨床的特徴、特に診断過程を検討した。【対象と方法】入院病名のデーターベースより小腸(回腸、空腸を含む)、あるいは消化管出血をキーワードに検索し、診療録を確認の上、小腸出血例を抽出した。対象は当院にて平成15年~平成23年に診断された小腸出血13例(男性11例女性2例。年齢34才~83才)で、疾患、病変部位、診断過程、治療法につき検討した。【成績】疾患は血管性病変4例(angioectasia3例、静脈瘤1例)、炎症性病変5例(NSAIDs起因性潰瘍2例、クローン病2例、非特異性多発性小腸潰瘍1例)、腫瘍性病変4例(癌1例、GIST2例、空腸ポリープ(Peutz-Jeghers type)1例)であった。さらに顕性出血は9症例(血管性病変3例、炎症性病変4例、腫瘍性病変2例)、不顕性出血は4例であった。また、病変部位は空腸8例、回腸5例で、多くの症例(13症例中8例)では近位空腸か遠位回腸に病変が認められた。最終的診断はいずれも内視鏡検査あるいは外科的手術からの病理学的診断によるが、8例でCTや小腸造影で病変部位が推定されていた。angioectasia2例、クローン病1例で内視鏡的止血術が施行され、いずれも通常内視鏡が用いられた。【考察】半数以上の症例で近位空腸あるいは遠位回腸に病変がみられ、通常の上部あるいは下部用内視鏡で到達可能な部位であった。高次施設への依頼の時期を逸してはならないが、病変部位がCTなど他のモダリティで推定されれば、通常内視鏡による診断、治療は検討に値する方法と考えられた。
索引用語 小腸, 出血