セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

小腸(臨床)2

タイトル 消P-442:

化学療法後に生じた合併症のため外科切除を要した消化管悪性リンパ腫7例の臨床的検討

演者 斉藤 誠(愛育病院・内科)
共同演者 入江 達朗(愛育病院・内科), 森岡 正信(愛育病院・内科), 小笹 真理子(愛育病院・消化器内科), 宮下 憲暢(愛育病院・消化器内科), 長佐古 友和(愛育病院・消化器内科), 佐賀 啓良(愛育病院・消化器内科), 三和 公明(愛育病院・消化器内科)
抄録 【目的】消化管は悪性リンパ腫の好発部位であり、外科切除を先行させる場合もあるが、治療の基本は化学療法である。今回、われわれは化学療法後に生じた合併症のため外科切除を要した消化管悪性リンパ腫の臨床像を後方視的に検討した。【方法】平成7年1月から平成23年12月まで当院で経験した、上記に該当する7症例(平均年齢65.1歳、男5例:女2例)について発症部位と組織亜型、合併症の種類などを検討した。【成績】胃病変の2例(2例とも幽門前庭に存在)と終末回腸病変の2例はいずれもDiffuse Large B-Cell Lymphomaであり、化学療法後に狭窄が強くなり、通過障害を認めたため外科切除を行ったが、腫瘍細胞の残存は認められなかった。十二指腸病変の1例(Mantle Cell Lymphoma)と空・回腸病変の2例(Intestinal T-Cell LymphomaとIndolent B-Cell Lymphoma)は化学療法後に穿孔(十二指腸病変は出血も合併)をきたしたため外科切除を行い、腫瘍細胞の残存を認めた。【結論】胃の幽門前庭と終末回腸の悪性リンパ腫は治療前に外科切除を先行させるべきか否かを十分に検討する必要がある。また、悪性リンパ腫治療経過中の小腸穿孔は致死的になりうる(当院では1例のショック死を経験)ため注意が必要で、発症後には穿孔部位の同定と迅速かつ適切な外科手術、周術期管理を要する。
索引用語 消化管悪性リンパ腫, 外科切除