セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

小腸(臨床)2

タイトル 消P-443:

消化管びまん性大細胞型B細胞リンパ腫における遺伝子転座解析

演者 池上 幸治(九州大・病態機能内科)
共同演者 中村 昌太郎(九州大・病態機能内科), 竹下 盛重(福岡大・病理学), 梁井 俊一(九州大・病態機能内科), 平橋 美奈子(九州大・形態機能病理学), 熊谷 好晃(九州大・形態機能病理学), 松本 主之(九州大・病態機能内科), 北園 孝成(九州大・病態機能内科)
抄録 【目的】胃のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(diffuse large B-cell lymphoma; DLBCL)において、免疫グロブリン重鎖遺伝子(IGH)を含む遺伝子転座と予後との関連が報告されている.腸管DLBCLにおける(IGH)遺伝子転座の特徴、および予後との関係は不明である.
【方法】当科で診断した消化管原発DLBCL 64例(腸原発23例、胃原発41例)を対象とし、生検または外科切除組織のホルマリン固定パラフィン包埋標本を用いてfluorescence in situ hybridization (FISH)法でIGH領域を含む遺伝子転座の解析を行った.予後解析はKaplan-Meier法で行った.
【成績】FISHを行った73例中53例(腸原発群19例、胃原発群34例)で判別可能なシグナルが得られた.両群間で年齢、性、病期、肉眼型、初回治療の内容に差を認めなかった.IGH転座は腸原発群の14例(74%)で検出され、胃原発群(32%)より高率であった(p=0.005).腸原発群の初回治療(外科切除1例、外科切除+化学療法12例、化学療法6例)による完全寛解導入率にIGH転座陽性例 (80%)と陰性例(64%)で差はなかったが、再燃/増悪率はIGH陽性群(2例,14%)で陰性群(60%)より低い傾向がみられた(p=0.08).無再発生存期間にIGH転座の有無で差はなかった.
【結論】腸管原発DLBCLと胃DLBCLでIGH転座陽性率が異なる.消化管DLBCLは発生部位で病態が異なる可能性が示唆される.
索引用語 リンパ腫, 転座