セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

小腸(臨床)2

タイトル 消P-444:

クローン病合併した続発性アミロイドーシスの臨床的検討

演者 鮫島 洋一(鹿児島大・消化器疾患・生活習慣病学)
共同演者 大井 秀久(今村病院・消化器内科), 小野 陽平(鹿児島大・消化器疾患・生活習慣病学DELIMITER今村病院・消化器内科), 西俣 寛人(南風病院・消化器内科), 松田 彰男(南風病院・消化器内科), 藤田 浩(鹿児島大・消化器疾患・生活習慣病学), 崎山 敏男(鹿児島大・消化器疾患・生活習慣病学), 坪内 博仁(鹿児島大・消化器疾患・生活習慣病学), 徳元 攻(今村病院・消化器内科), 河野 裕一(今村病院・消化器内科), 水流 弘文(今村病院・消化器内科)
抄録 はじめにクローン病(以下CD)などの慢性の炎症性疾患に続発するアミロイドーシス(以下,AMY)は,患者のQOLや生命予後に影響を与える全身合併症の一つである.今回,当院および南風病院で経験したCDに合併したAMYについて,その臨床像を検討したので報告する.対象および方法当院で2011年までに診断・治療を行っているCD症例138例,および南風病院で1984年から2004年までの症例92例の合計230例を対象とし,消化管内視鏡での生検や臓器の針生検,手術摘出標本を用いコンゴーレッド染色,あるいはDFS染色,その両方の染色でアミロイドの沈着を認めたもの(以下,AMY症例)をそれ以外の非AMY症例を比較検討した. 成績AMY症例は男女比155/64,罹患範囲は小腸型50例,小腸大腸型149例,大腸型20例.病型は,炎症型47例,狭窄型97例,穿孔型75例,発症年齢は9~54歳,平均22.9歳.罹病期間は0~36年,平均1.9年だった.AMY症例は,11例で,全例小腸大腸型,病型は,炎症型はなく,狭窄型4例,穿孔型7例,発症年齢は15~20歳,平均16.8歳.罹病期間は8~34年,平均20.5年だった.CD発症後のAMY累積合併率は,5年で0.96%,10年で1.61%,20年で5.23%,25年で14.5%だった.性,罹患範囲,病型では,AMY累積合併率に有意な差はなかった.発症年齢を20歳未満と20歳以上の分けてみると,20歳未満では,5年で2.02%,10年で3.42%,15年で5.39%,20年11.04%,25年27.66%で,有意に20歳未満合併率が高かった.小腸病変の広範囲群では,5年で1.44%,10年で1.44%,15年で3%,20年8.64%,25年26.7%で,有意に広範囲群の合併率が高かった.結語アミロイドーシスを合併するクローン病は,20歳未満の発症で,小腸病変が広範囲な症例が多かった.
索引用語 クローン病, アミロイドーシス