セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

小腸(臨床)2

タイトル 消P-445:

バルーン内視鏡及びカプセル内視鏡を施行したOGIB症例の検討

演者 伊藤 貴博(旭川医大・消化器・血液腫瘍制御内科)
共同演者 安藤 勝祥(旭川医大・消化器・血液腫瘍制御内科), 野村 好紀(旭川医大・消化器・血液腫瘍制御内科), 嘉島 伸(旭川医大・消化器・血液腫瘍制御内科), 富永 素矢(旭川医大・消化器・血液腫瘍制御内科), 稲場 勇平(旭川医大・消化器・血液腫瘍制御内科), 岡本 耕太郎(旭川医大・消化器・血液腫瘍制御内科), 田邊 裕貴(旭川医大・消化器・血液腫瘍制御内科), 藤谷 幹浩(旭川医大・消化器・血液腫瘍制御内科), 高後 裕(旭川医大・消化器・血液腫瘍制御内科)
抄録 【背景・目的】OGIBの診断・治療においてバルーン内視鏡(BAE),カプセル内視鏡(CE)有用であるが,検査時期,検査法の選択などに一定の見解はない.当科においてBAE及びCEを施行したOGIB症例の成績を検討した.【対象】2004年4月~2011年12月までに小腸精査目的に施行したBAE153例222回のうちOGIBに対して施行した57例(86回).2008年5月~2011年12月までに施行したCE181回のうちOGIBに対して施行した103回.【結果】OGIBでBAEを施行した症例の平均年齢は63.1歳,Overtは44例,Occultは13例で,経口的54回,経肛門的31回であった.OGIBでCEを施行した症例の平均年齢は63.4歳,Overt(on going)は9回,Overt(previous)は46回,Overt(不明)が4回,Occultは44回であった.BAEでの有所見率はOvertで63.6%(28/44),Occultで84.6%(11/13),CEでの有所見率はOvert(on going)で66.7%(6/9),Overt(previous)で67.4%(31/46),Occultで52.3%(23/44)であった.CE施行Overt(on going)症例のうち2例はリアルタイムビューアーで活動性出血を認めBAEを即日に施行した.CEによる滞留はNSAIDによる多発輪状潰瘍を認めた1例であった.BAE施行症例のうち,内視鏡的止血術を施行したのは7例,TAEを要したのは4例,手術を要したのは11例であった.BAE初回検査後の再出血例は10例でそのうち全小腸観察を行っていたのは4例で,全小腸未観察 6例のうち,再出血時にBAEを施行した5例中4例において責任病変は初回検査での観察範囲外の病変であった.【まとめ】occult OGIBであってもBAE,CEともにovertと同様,有所見率は低くなく積極的に検査を行うべきであると考えられた.Overt(on going)ではBAE,CEともに有用である.BAEでは全小腸未観察例では観察範囲外に病変が存在しうることに十分留意し,CEを含めた全小腸観察率の向上の工夫や慎重な経過観察が必要であると考えられた.
索引用語 バルーン内視鏡, カプセル内視鏡