セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)小腸(臨床)2 |
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タイトル | 消P-446:当院における転移性小腸腫瘍の検討 |
演者 | 喜多 雅英(岡山大病院・消化器内科) |
共同演者 | 川野 誠司(岡山大病院・光学医療診療部), 岡田 裕之(岡山大病院・光学医療診療部), 秋田 光洋(岡山大病院・消化器内科), 河原 祥朗(岡山大病院・光学医療診療部), 那須 淳一郎(岡山大病院・消化器内科), 山本 和秀(岡山大病院・消化器内科) |
抄録 | 【目的】消化管転移性腫瘍の多くは、臨床的に遭遇することは比較的まれである。過去の報告では悪性腫瘍の消化管への転移率は小腸がもっとも頻度が高い。近年では、この領域における内視鏡検査、画像検査も進歩してきている。今回、その特徴を把握するために転移性小腸腫瘍を検討した。【対象】2002年から過去10年間において当院にて経験した転移性小腸腫瘍22例、男性16例、女性6例、平均年齢64.5歳を対象とした。【結果】原発巣は肺癌12例(55%)と最も多く、そのほか大腸癌3例、食道癌1例、肝細胞癌1例、悪性中皮腫1例、悪性黒色腫1例などであった。原発巣診断から小腸転移が発見されるまでの期間は中央値8ヶ月であった。発見契機はイレウス8例、消化管出血(OGIB)7例、偶然発見されたものが3例であった。小腸転移発見時に多臓器転移を来たしているものが18例(82%)あり、うち6例に脳転移を認めた。16例(73%)に外科手術が施行されており、待機手術11例、緊急手術5例であった。内視鏡検査を施行できた症例は9例であり、うちダブルバルーン内視鏡(DBE)が6例、上部消化管内視鏡2例、push式小腸内視鏡1例であった。待機手術11例のうち7例において内視鏡検査での診断が可能であった。予後の追跡が可能であった可能例は17例のうちすでに12例が死亡されており、診断から死亡までの平均余命は約4ヶ月であった。一方、一年以上の生存が確認できた症例は3例に過ぎず、最も長期の生存症例は診断から7年8ヶ月であり、現在も生存中である。【考察】今回の検討では転移性小腸腫瘍は一般に予後不良の疾患と考えられた。しかし内視鏡検査を施行できた症例は、手術が必要な場合でも待機手術が可能となっており、早期診断に有用と考えられた。近年では、バルーン小腸内視鏡、カプセル内視鏡などの小腸内視鏡に加えPET-CTなどの画像診断も進歩しており、今後小腸への転移巣の早期発見が可能となり、予後の改善も期待できるものと考えられた。 |
索引用語 | 転移性小腸腫瘍, ダブルバルーン内視鏡 |