セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

小腸(症例報告)1

タイトル 消P-452:

診断治療に難渋した8トリソミー陽性MDSを合併した多発性小腸潰瘍の3例

演者 秋田 光洋(岡山大・消化器・肝臓内科)
共同演者 川野 誠司(岡山大・消化器・肝臓内科), 森元 裕貴(岡山大・消化器・肝臓内科), 齊藤 俊介(岡山大・消化器・肝臓内科), 喜多 雅英(岡山大・消化器・肝臓内科), 平岡 佐規子(岡山大・消化器・肝臓内科), 岡田 裕之(岡山大・消化器・肝臓内科), 山本 和秀(岡山大・消化器・肝臓内科), 藤井 伸治(岡山大病院・血液・腫瘍内科), 近藤 喜太(岡山大大学院・消化器外科学)
抄録 症例1は45歳男性。2004年より再発する口腔内アフタ、扁桃潰瘍、毛嚢様皮膚炎、外陰部潰瘍を認め、ベーチェット病と診断された。2010年4月血球減少、末梢血中に巨核球を認め、骨髄穿刺したところ8トリソミー陽性MDSと診断された。また、以前より回盲部潰瘍が認められていたが、2011年4月限局性腹膜炎を発症。プレドニゾロン(PSL)、シクロスポリン(CyA)投与にて加療行うも再燃を繰り返すため内科的治療困難と判断し腹腔鏡下回盲部切除、人工肛門造設術施行。その後MDSに対して骨髄移植を施行した。症例2は81歳、男性。8月39度の発熱、下血にて前医入院。CSにて回腸末端に多発する潰瘍を認め、その後も下血を繰り返すため当院転院。当初薬剤性小腸潰瘍が疑われ、経肛門ダブルバルーン内視鏡(DBE)にて、回腸末端から40-50cmにかけて多発する深掘れ潰瘍を認め、診断基準は満たさなかったが、内視鏡所見からベーチェット病が第一に考えられた。PSL、CyA投与にて加療行った所フォローのDBEで潰瘍の著明な改善を認めた。また、当院転院後より、汎血球減少を認め、骨髄穿刺施行したところ8トリソミー陽性MDSと診断された。高齢のため骨髄移植は行わず、保存的に加療中である。症例3は、70歳、男性。8トリソミー陽性MDSにて骨髄移植予定であったが入院後、下血。CSにて、回腸末端、盲腸~上行結腸、S状結腸~直腸に多発する潰瘍を認めた。感染性腸炎を否定した後CyA投与開始し、症状、内視鏡所見の改善を認めるものの、完治には至らず、骨髄移植は延期されている。8トリソミーを伴うMDSの患者は、高率にベーチェット病様の小腸潰瘍を合併する報告が散見されるが詳細な検討はなされていない。今回我々が経験した症例はいずれも診断、治療に難渋するものであり貴重な症例と考え、若干の文献的検索を加え報告する。
索引用語 ベーチェット, MDS