セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

小腸(症例報告)2

タイトル 消P-455:

小腸原発follicular lymphomaの7例

演者 岡崎 倫子(津山中央病院・消化器・内視鏡センター)
共同演者 竹本 浩二(津山中央病院・消化器・内視鏡センター), 岡 昌平(津山中央病院・消化器・内視鏡センター), 濱田 健太(津山中央病院・消化器・内視鏡センター), 山崎 泰史(津山中央病院・消化器・内視鏡センター), 竹中 龍太(津山中央病院・消化器・内視鏡センター), 平良 明彦(津山中央病院・消化器・内視鏡センター), 柘野 浩史(津山中央病院・消化器・内視鏡センター), 藤木 茂篤(津山中央病院・消化器・内視鏡センター), 三宅 孝佳(津山中央病院・病理部), 吉野 正(岡山大大学院・病理学(腫瘍病理))
抄録 【背景】小腸悪性リンパ腫の組織型は、diffuse large B-cell lymphomaが最も多く、次いで、follicular lymphoma(FL)、MALT lymphomaが多い。FLは原則的に節性のリンパ腫であり、消化管原発のものは稀と考えられてきた。しかし、近年、上部消化管内視鏡検査の際に、十二指腸の観察で偶然発見されるFL症例が増加しつつあるが、消化管原発FLについてまとめた報告は多くない。今回我々は、小腸原発FL7例を検討し報告する。【方法】2006年4月~2012年3月に当院で小腸原発FLと診断された7例について患者背景、検査所見、治療について検討した。【結果】年齢は43~88歳(平均年齢66.5歳)、性別は男性4例、女性3例であった。主訴は、腹痛1例、スクリーニング6例であった。病変部位は7例すべてが十二指腸で、そのうち2例は単発、残り5例は空腸・直腸・腸間膜リンパ節にも病変を認める多発例であった。発見契機は、全症例で上部消化管内視鏡検査時に認めた十二指腸に集簇した白色顆粒状隆起性病変を生検し、FLと診断した。病期診断のために、PET-CT、上下部消化管内視鏡検査、カプセル内視鏡検査、小腸ダブルバルーン内視鏡検査、骨髄穿刺を施行した。すべての症例でPET-CTを撮影し、異常集積なしが4例、原発の十二指腸・空腸のみに集積を認めた症例が1例、原発巣から離れたリンパ節に集積を認めた症例が2例であった。治療法は、R-CHOP2例、Rituximab単剤1例、厳重経過観察4例である。【結論】7例全てで、特徴的な内視鏡所見を呈しており、上部消化管内視鏡検査の十二指腸病変生検で診断された。FLの消化管病変は、内視鏡で明らかに認識できる病変でもFDG-PET検査で集積を認めないことが多く、病期診断における、カプセル内視鏡や小腸ダブルバルーン内視鏡の重要性を認めた。今後、健診で、無症状の小腸原発FLの発見はますます増加してくると考えられ、確立した標準治療法が望まれる。
索引用語 小腸リンパ腫, follicular lymphoma