セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

小腸(症例報告)2

タイトル 消P-456:

血栓溶解療法および血栓吸引療法で保存的に治療し得た上腸間膜動脈閉塞症の1例

演者 大久保 洋平(伊那中央病院・外科)
共同演者 中山 中(伊那中央病院・外科), 芳澤 淳一(伊那中央病院・外科), 荻原 裕明(伊那中央病院・外科), 竹内 信道(伊那中央病院・外科), 辻本 和雄(伊那中央病院・外科), 伊藤 憲雄(伊那中央病院・外科), 松原 誠(伊那中央病院・放射線科)
抄録 上腸間膜動脈閉塞症(以下、SMAO)は頻度が比較的稀な疾患であるが、死亡率が高く、早期診断、治療に難渋することが多い。今回我々は経動脈的に血栓溶解療法、血栓吸引療法を施行し、保存的に救命し得たSMAOの1例を経験したので報告する。症例は80歳女性。急性腹症で当院を受診し、腹部造影CT検査で上腸間膜動脈(以下SMA)の末梢側で血管閉塞の所見を認め、SMAOと診断した。発症後2時間と、診断に至るまでの経過が早かったため、Interventional radiology(以下IVR)による加療の方針とした。右大腿動脈よりカテーテルをSMAに留置し、可及的に血栓を吸引後、ウロキナーゼを動注した。治療後の造影CTでSMAの血流改善を確認した。術後、虚血性腸炎と思われる下血を一時的に認めたが、腹痛は認めず、自然に軽快した。その後の経過は良好でIVR後14日目に退院した。SMAOは、臨床所見や腹部レントゲン検査でイレウスと類似した所見を示すことがあり、保存的に加療される恐れがある。しかし、本例のように造影CT検査を施行すれば容易に診断が可能であり、早期治療に移行できる。治療方針として、従来開腹手術が第一選択であったが、術中切除範囲の決定に難渋することや、救命し得たとしても短腸症候群等のQOL低下が問題であった。近年、発症後10時間以内のIVRによる救命例が散見されており、積極的に試みるべきと思われる。一方、IVRにて血流改善後に、腸管虚血壊死で腹膜炎を併発し、緊急手術を施行した症例も報告されている。IVR後も綿密な術後管理を行い、腸管壊死の兆候があれば躊躇せずに外科的手術を行うべきであると考える。
索引用語 上腸間膜動脈閉塞症, 血栓溶解療法