セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

小腸(症例報告)2

タイトル 消P-459:

特徴的な画像所見を呈した左外鼠径ヘルニア偽還納の一例

演者 盛生 慶(庄原赤十字病院・内科)
共同演者 山口 敏紀(庄原赤十字病院・内科), 益田 和彦(庄原赤十字病院・内科), 盛生 玲央奈(庄原赤十字病院・内科), 谷口 真理(庄原赤十字病院・内科), 舛田 裕道(庄原赤十字病院・内科), 毛利 律生(庄原赤十字病院・内科), 沼田 義弘(庄原赤十字病院・内科), 鎌田 耕治(庄原赤十字病院・内科), 服部 宜裕(庄原赤十字病院・内科), 中島 浩一郎(庄原赤十字病院・内科), 高嶌 寛年(庄原赤十字病院・外科)
抄録 症例は74歳の男性。手術歴はなし。平素より左鼠径ヘルニアを認めており、用手還納にて対処されていた。受診前日の朝より左下腹部痛が出現したため近医受診。身体所見上問題なく経過観察の方針となっていた。翌日になっても症状が軽快しないため同院を再受診したところ、腹部X線検査にてイレウスが疑われ当科紹介受診となった。来院時腹部は膨隆しており、下腹部全体の疼痛・圧痛を認めた。血圧高値以外にはバイタルサインに異常はなく、血液検査上も大きな異常は認めなかった。腹部超音波検査は小腸イレウスの所見であり、特徴的な所見として骨盤内に口側・肛門側への腸管の連続性が追えない限局性の拡張を示す小腸を認めた。同部は周囲に少量の腹水を認めたが、弱いながらも蠕動を認めており、ソナゾイド造影検査にて腸管壁の造影効果を認めた。腹部CTでも同様にイレウス所見と、骨盤内に限局性の拡張を示す小腸を認めた。手術既往のない腸閉塞であり、画像所見より絞扼性イレウスなどを疑い緊急開腹手術を行ったところ、左外鼠径ヘルニア偽還納が原因のイレウスであった。左外鼠径ヘルニア偽還納という珍しい症例を経験したので、若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 偽還納, 腸閉塞