セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

小腸-大腸(クローン病)

タイトル 消P-462:

当院におけるAdalimumabの使用経験

演者 河野 友彰(兵庫医大・内科(下部消化管科))
共同演者 吉田 浩二(友愛会病院), 佐藤 寿行(兵庫医大・内科(下部消化管科)), 小川 智広(兵庫医大・内科(下部消化管科)), 野上 晃司(兵庫医大・内科(下部消化管科)), 河合 幹夫(兵庫医大・内科(下部消化管科)), 上小鶴 孝二(兵庫医大・内科(下部消化管科)), 横山 陽子(兵庫医大・内科(下部消化管科)), 戸澤 勝之(兵庫医大・内科(下部消化管科)), 飯室 正樹(兵庫医大・内科(下部消化管科)), 應田 義雄(兵庫医大・内科(下部消化管科)), 福永 健(兵庫医大・内科(下部消化管科)), 樋田 信幸(兵庫医大・内科(下部消化管科)), 中村 志郎(兵庫医大・内科(下部消化管科)), 三輪 洋人(兵庫医大・内科(上部消化管科)), 松本 譽之(兵庫医大・内科(下部消化管科))
抄録 【はじめに】本邦におけるクローン病(CD)治療はBiologicsの出現により新たな局面をむかえつつある。その中でInfliximab(IFX)は約10年の臨床適応があり十分な経験にもとづいた評価の蓄積がされているが、一方でAdalimumab(ADA)については臨床期間が短く、有効性についての評価が十分ではない。その中で今回我々は当院でのADAの有効性の検討結果を少数例ではあるが報告する。【方法】当院で2010年11月から2012年12月までにADAを導入したCD患者44名で、投与前のCDAI値は平均197.3点、CRP値は平均1.1mg/dlであった。投与理由はIFX二次無効や不耐などの継続困難例が22例、Top down例が7例、術後予防例が10例であった。以上の症例にADAを導入し、治療効果について検討した。【成績】CDAI(術後予防例は除く)においては、ADA初回投与から4週で寛解導入例は19例(57.6%)、70点以上の低下や25%以上の低下を示す改善例は11例(33.3%)、合わせて30例(90.9%)が有効性を認めた。寛解維持療法としても26週の有効率は65.5%と良好な成績であった。CRPにおいては、0.3mg/dl以下または0.1mg/dl以上の低下を合わせて有効とすると、4週で32例(72.7%)が有効性を認め、26週の有効率は76%と良好に維持できていた。26週まで経過を追えた症例は27例であり、その時点でCRP陽性の症例は10例であった。そのうち9例(90%)は8週目ですでにCRP陽性であった。【結論】ADA導入目的はIFX継続困難症例が半数以上を占めた。CDAIからみた臨床評価では初回投与4週後、26週後でともに半数以上に高い有効性を認めた。CRP値についても同様であり高い有効率が得られた。またADA投与における効果減弱・再燃の早期指標として投与8週後のCRP値が有用となる可能性が示唆された。今後、中・長期的な評価を内視鏡的改善も含めて報告していきたい。
索引用語 クローン病, adalimumab